AIとドローンを活用した鳥獣被害対策の実証実験
株式会社ヤマサは、長野県松本市に本社を持つ地域密着型企業で、建設関連や燃料、食糧事業など幅広い分野で活動してきました。創業から154年、彼らは新たな技術を駆使して農家の悩みを解決するため、信州大学 工学部と連携し、次世代の鳥獣被害対策ソリューションの開発に取り組んでいます。今回、彼らのプロジェクト「いたずらネズミとお手伝いドローンプロジェクト」が実証実験に成功したことで、注目を集めています。
プロジェクトの目的
ネズミはイノシシやシカと比べて経済的な被害は小さいものの、家畜に対する感染症の媒介となることから、ペストコントロールの重要性が増しています。このプロジェクトは、AIとドローンを駆使してネズミの動きを「検知・測定・牽制」し、食糧倉庫などでの被害低減を図ることを目的としています。
具体的な実証実験の内容
実証実験では、事前に3Dマップを作成し、人を仮想の鳥獣と見立てて、AIが自動でドローンを飛ばす仕組みが構築されました。具体的な流れは、以下の通りです:
- - AIが検知した障害物を避けるための最適な飛行経路を生成。
- - 目的地到達後、仮想の鳥獣に対して威嚇行動を実施。
- - 帰還の際も自動で飛行経路を計算し、無事にスタート地点に戻ることが確認されました。
これにより、屋内においてAIによる物体検知が可能であることが実証され、新たな可能性が示されました。
結果と今後の展望
実験の結果、システム統合の成功と、ドローンの飛行精度向上が確認されました。今後の課題は、到達点の精度やスピードを高めることで、このニュースは2024年に特許としても認められました。株式会社ヤマサは、小型ドローンを用いた新たなソリューションの形を模索し続け、より多くの事業者と協力して実用化を進める意向を示しています。
研究者の声
ヤマサの代表取締役社長は、「この研究開発が産学官連携で実現したことを非常に喜ばしく思っています。引き続き、様々な技術を活用し、新しい用途も含めて研究を推進していきます」と述べ、今後の取り組みへの意気込みを語りました。
まとめ
このAIとドローンを組み合わせた新しい鳥獣被害対策ソリューションは、今後の農業や食品業界において非常に重要な役割を果たす可能性があります。信州地域の未来に向けて、さらなる環境への配慮が求められる中、企業と学術機関の連携によるイノベーションが期待されています。詳細は
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