リスクモンスターが特許を取得した決算書AI-OCR技術の進化と展望
近年、企業の財務分析において重要な役割を果たす技術が注目されています。その中で、リスクモンスター株式会社が開発した「決算書AI-OCR」技術が特許を取得したことで、財務分析の分野における革新が期待されています。この技術は、企業取引を支えるための財務データの読み取りや処理において新たな可能性を拓くものです。特に、従来の手法では難しかった、さまざまなフォーマットの決算書に対応できる点が特徴です。
開発の背景
決算書は、企業ごとに異なるフォーマットを持っているため、勘定科目の位置や記載方法が基本からマチマチです。従来のOCR(光学文字認識)技術では、このような多種多様なフォーマットへの対応が難しく、読み取り精度が課題となっていました。特に、画像の質が悪かったり、文字が小さかったりすると、適切なデータを読み取ることが難しく、手作業での修正が必要になることが多かったのです。
このような問題を解決するために、リスクモンスターは新たな「決算書AI-OCR」技術を開発しました。この技術によって、企業担当者は作業の効率化を図り、より迅速な取引判断が可能となります。
特許の概要
今回取得した特許は、「決算書の画像読み取りと、適切な勘定科目及び関係する金額を自動で出力する」ためのプログラムです。この特許技術により、以下の点が大きく向上しています。
1.
文字の読み取り精度向上: 独自の技術を用いて決算書の画像データの歪みを補正し、背景ノイズを除去することで、文字を鮮明にし、OCRの読み取り精度が大幅に向上しました。
2.
高精度な勘定科目の自動選定: 決算書のフォーマットを分析し、予め登録された勘定科目と突き合わせて、最も適切なものを高精度で選定することができます。この選定は、勘定科目の記載エリアに応じて動的に変更も可能です。
3.
ユーザー修正機能の提供: 多様な決算書フォーマットに対応しつつ、必要に応じてユーザーが簡単に修正できるインターフェースを提供しているため、利用者は自身のニーズに合わせてデータを調整可能です。
今後の展望
「決算書分析システム」は、リリースから4年が経過し、対応可能なフォーマットの種類も増加しています。現在、読み取り精度は約95%に達しており、さらなる精度向上へ向けた開発も継続中です。この特許の取得は、企業に欠かせない財務分析業務を効率化するための重要な一歩であり、日本企業の成長を支える基盤となることが期待されています。
今後も、リスクモンスターは技術革新を続け、より多くの企業が「決算書分析システム」を利用できるよう努めていく方針を掲げています。
特許登録情報
- - 特許番号: 特許第7558730号
- - 発明の名称: 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
- - 特許権者: リスクモンスター株式会社
- - 登録日: 2024年9月20日
リスクモンスターの概要
リスクモンスター株式会社は、2000年から法人向けに与信管理業務のアウトソーシングやクラウドサービスを提供しており、徐々に教育関連事業やビジネスポータル、海外事業などにもその業務範囲を拡大しています。2024年6月末時点では14,097の法人会員がいることが明らかになっています。
このような成長を経て、リスクモンスターは今後も多様なサービスの提供を通じて、企業の発展をサポートしていくことでしょう。