海洋ごみ問題に新たな解決策を
海洋ごみ問題は、現代の深刻な環境課題の一つです。日本国内でも、河川から海洋へと流れ出るごみは増加傾向にあり、これが生態系や地域経済に悪影響を及ぼしています。特に、プラスチックごみは分解されにくく、結果としてマイクロプラスチックとして海に広がり、生物や我々人間に影響を及ぼすことが懸念されています。
このような現状に対抗するため、NPO法人クリーンオーシャンアンサンブルは新たなプロジェクトをスタートしました。それが、河川ごみ回収装置「kawasemi」を用いた実証実験です。この装置の特長は、海にごみが流出する前の段階である「川」での効率的な回収を可能にすることです。香川県高松市では既に実証実験を行っており、海での回収と比べて約100倍の効率でごみを回収できることが確認されています。
クラウドファンディングで支援を募集中
このプロジェクトを実現するため、クリーンオーシャンアンサンブルはクラウドファンディングを通じて資金を募ることにしました。2025年12月20日から2026年1月18日までの期間で、目標金額100万円を設定しています。寄付金は、関東での実証実験の実施や装置の改良、安全対策の強化、データ記録・分析体制の構築に使用されます。
プロジェクトの背景
海洋に浮遊するごみの約80%が街で生まれ、河川を経由して海に流れ出るという現実を受けて、クリーンオーシャンアンサンブルは「川で止める」というアプローチに注目しました。海洋ごみ問題の抜本的解決を目指し、川という“通り道”でごみを回収することによって、確実にその量を減らすことができるのです。実際に行われた実証では、装置を用いて日々5kgものごみを効率的に回収することが可能であることが確認されています。
川に特化した回収装置「kawasemi」の特長
「kawasemi」は、地元漁師の職人技術を元に開発され、川に特化したデザインが特徴です。無電力で稼働し、小型・軽量で設置が容易という利点があります。また、川の特性に合わせてカスタマイズが可能で、さまざまな河川において実用性を持つ仕様に設計されています。
プロジェクトの意義と今後の展望
このプロジェクトの成功は、日本の河川からの海洋ごみ流出をゼロに近づける試みと位置づけられています。将来的には、全国で展開可能な河川ごみ回収の標準モデルを確立し、環境保全に寄与することを目指しています。統一されたデータとサポート体制を構築することで、より効果的な取り組みが実現できると期待されています。
今後のロードマップには、2026年2月中旬に実施される第5回の河川ごみ回収実証実験や、報告会の予定も含まれています。これらの活動を通じて、ともに海洋ごみ問題に立ち向かう仲間を募集しています。
参加方法と支援のお願い
クリーンオーシャンアンサンブルでは、寄付やボランティアとしての参加を通じて、プロジェクトを支援できる方々を広く募集しています。寄付は、現場活動の継続やデータ化ツールの開発に活用され、企業にとってはCSR活動としても意味のある取り組みです。
環境問題の解決に向けて、一緒に変革を起こしていきましょう。詳細は公式サイトやクラウドファンディングページをご覧ください。