2024年度、日本ガス協会が主催する技術大賞で、Fracta Japan株式会社(以下、フラクタ)と東邦ガスネットワーク株式会社(以下、東邦ガスNW)が共同開発したAIによるガス導管劣化予測技術が、栄えある技術賞を受賞しました。この受賞は、フラクタにとっても大変喜ばしいことであり、両社の技術的な進展を示すものでもあります。
フラクタと東邦ガスNWは2019年から連携し、独自のAI技術を駆使してガス導管の劣化予測技術の開発に取り組んできました。従来は埋設年の古い管から順に対策を講じる「経年手法」が主流でしたが、今回の受賞技術では、経験に基づく維持管理ノウハウとAI技術を組み合わせた「世界初」のアプローチが実現しました。この手法によって、ガス導管の劣化を早期に予測し、より適切な保安対策を講じることが可能となります。
この新しい手法は、ガス導管の劣化が経年によるものだけでなく、土壌状況や交通量などの環境要因、使用材料や接合方式といった特有の要因にも起因することを考慮しています。フラクタは、AIを用いた機械学習によってこれらの複雑な要因を分析し、劣化箇所の特定や対策の優先順位付けを行います。これにより、ガス導管の安全性が大幅に向上することが期待されています。
受賞式において、東邦ガスNWの企画部 計画グループの松原左月氏は、この技術が保安対策の新たな基盤を築くことになると述べ、さらなる技術革新に対する期待感を示しました。また、フラクタのCOOである井原正晶氏も、この共同開発が未来のインフラ技術に方向性を示す重要な取り組みであると強調しました。
フラクタは、今後もAI技術及び環境ビッグデータを駆使して、ガス業界への参入を進めると共に、すでに築き上げた水道インフラの支援においても一層の改善を目指しています。安心で安全な暮らしを実現するため、さらなる技術開発とサポート体制の強化に努め、社会に貢献する企業であり続けることを誓います。
今後、フラクタの提供するAIによるガス導管劣化予測技術が多くの地域で導入され、ガス供給の安全性が一層高まることを期待しています。また、フラクタの企業理念に基づき、既存のインフラにおいても「安心安全」を実現するための新たなチャレンジは、他の分野にも影響を与える可能性を秘めています。技術革新がもたらす社会的価値の創出を通じて、持続可能な未来へ向かって進んでいくフラクタに、今後も目が離せません。