中国EV市場、海外勢が躍進!J.D. パワー調査で明らかになった新エネルギー車の魅力度
自動車業界の顧客満足度調査で知られるJ.D. パワーが、2024年中国新エネルギー車商品魅力度調査℠の結果を発表しました。
調査によると、中国の新エネルギー車(NEV)の商品魅力度は、昨年から着実に上昇しています。商品魅力度の指標となるAPEALインデックスの業界平均スコアは、1,000ポイント満点で789ポイントとなり、前年比で13ポイント向上しました。
特に注目すべきは、自動車メーカータイプ別の結果です。2年連続で海外メーカーが平均スコア800ポイントでトップを獲得しました。昨年からの伸び幅が最も大きかったのは中国の新興メーカーで、前年比17ポイントアップの798ポイントを記録しました。
中国ユーザーの関心は安全性と運転体験へ
NEVの弱点であった航続距離は技術革新によって克服されつつあり、中国ユーザーの関心は、内燃機関車と同様に安全性や運転体験に移行しつつあると分析されています。
調査では、安全性に対する関心が高まっていることが示されました。安全性は、APEALインデックスにおける影響度が1.5%上昇し、8.4%に達しました。
また、運転体験においては、電気自動車(BEV)がプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を上回ったことが明らかになりました。特に、性能面では、BEVがエンジン/モーター音、加速性能、スムーズさにおいてPHEVを上回りました。
充電の満足度は向上、ただし課題も
充電に関する満足度は前年比14ポイント向上しましたが、依然として普通充電の速度は課題となっています。調査では、普通充電にかかる平均時間は7.1時間で、前年より0.5時間短縮されましたが、ユーザーの期待にはまだ届いていないようです。
各セグメントのNo.1を発表
調査では、各セグメントにおける商品魅力度No.1も発表されました。
スモールBEVセグメント: BYD Seagull
コンパクトBEVセグメント: Geometry A Pro、Volkswagen ID.3(同点)
コンパクトBEV SUVセグメント: BYD Yuan Plus
ミッドサイズBEVセグメント: NIO ET5/ET5T、Tesla Model 3(同点)
ミッドサイズBEV SUVセグメント: Volkswagen ID.4 Crozz
ラージBEVセグメント: ZEEKR 001
プレミアムBEVセグメント: NIO ES6
マスマーケットPHEVセグメント: BYD Han PHEV、DEEPAL SL03(同点)
マスマーケットPHEV SUVセグメント: AITO M5
中国NEV市場は成熟へ
J.D. パワー ジャパンの山本浩二代表取締役社長は、「海外メーカーは、長年の自動車開発や量産技術のノウハウを活かし、中国市場でのNEVマーケットへの反転攻勢を仕掛けている」とコメントしています。
中国のユーザーが求める革新的な商品の投入は、各自動車メーカーのブランドや商品の独自性を阻害する可能性も懸念されています。真に魅力的なNEVを企画・開発するためには、技術革新だけでなく自動車そのものの性能や品質を追求することが求められると指摘されています。
中国のNEV市場は成熟に向かっていることを示す調査結果となりました。今後の市場動向に注目が集まります。