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瀬戸内渚フォーラムが発表した新たな取り組み

第2期「対策」フェーズに突入

東京都文京区に本社を構える株式会社イノカが運営する『瀬戸内渚フォーラム』が、藻場再生の新たな挑戦を始めました。従来の海洋環境保全活動を超え、ブルーカーボンを利用した経済価値の創出を狙うこの取り組みは、3海域の科学データをもとに進められます。

新たに参画したパートナーシップには、今治造船株式会社や共英製鋼株式会社などが名を連ねており、これからの活動に期待が高まります。このフォーラムは、初年度の科学調査結果をもとに、各海域の特性に応じた具体的な対策を講じる「対策」フェーズに移行することを発表しました。

瀬戸内海の現状と課題

かつては「海のゆりかご」と称された藻場が、約70%も消失した瀬戸内海。1980年代からの漁獲量の減少が続いており、生物多様性や地域経済への影響が深刻です。この状況を受けて、瀬戸内渚フォーラムは従来の環境保全活動を進化させ、経済的価値を生み出す取り組みを進めています。藻場再生をブルーカーボン・クレジットによる事業として体系化し、地域経済を活性化させるプロジェクトを推進中です。

初年度の調査結果

フォーラムでは、初年度に香川県三豊市、岡山県玉野市、広島県三原市という3つのエリアで統一した手法による比較調査を実施しました。

• - 香川・三豊エリア: 海底からの硫化水素がアマモ生育を妨げる影響がある。
• - 岡山・胸上エリア: 環境変化に伴う他藻類との生存競争にアマモが敗れている。
• - 広島・三原エリア: 特殊な潮流環境に適応したアマモの再生可能性がある。

これらの調査結果は、画一的な解決策では不十分で、各海域ごとの特性に基づいたアプローチが求められることを示唆しています。

継続的な実行番組と新規パートナーシップ

第2期では、従来のパートナーに加えて新たな企業や自治体が参画し、多角的な技術と知見を結集して具体的な行動に移ります。これにより、各地域の課題解決に向けた実証実験や自然共生サイト登録などの具体的取り組みが進められる予定です。

新たに参加するパートナー

• - 株式会社池田理化
• - 今治造船株式会社
• - 共英製鋼株式会社
• - 北興化学工業株式会社
• - 玉野市や福山市

地域社会への還元と教育活動

地域の特性を活かした教育や啓発の取り組みも強化され、特に次世代を担う子どもたちに藻場の重要性を再認識してもらうイベントが行われる予定です。12月13日には香川県で小中学生向けの科学実験イベントを実施し、海藻の「おいしさ」や「機能」を探るユニークなプログラムが用意されています。

まとめ

『瀬戸内渚フォーラム』は、持続可能な海の再生に向けて、確かな科学的根拠と地域との連携を基にした取り組みを進めています。多様な企業と自治体が協力し、地域経済と環境保全を両立させる新たな価値を創造している姿は、今後の情報発信や地域社会への影響がますます注目されることでしょう。

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