DMPが発表した新たな次世代エッジAI SoC「Di1」
株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)が次世代エッジAI向けのSystem-on-Chip(SoC)「Di1」を発表しました。この製品は、先進的なAI推論技術と高精度のリアルタイム3D測距エンジンを統合しており、特にコンシューマーエレクトロニクス分野やロボティクス、セキュリティなど多岐にわたるアプリケーションでの利用が期待されています。
革新的な技術の統合
Di1は、DMPの独自アルゴリズムを駆使した高性能AI推論エンジンと、台湾のiCatch Technology社の高性能イメージシグナルプロセッサ(ISP)を搭載し、多様な用途に対応するデバイスを実現します。これにより、難易度の高いエッジAIユースケースに対してもコストや消費電力を劇的に削減することができ、特にドローンや監視カメラなどの市場ニーズに応えます。
また、Di1は世界初のFP4(4ビット精度の超軽量推論モデル)を実装しており、これにより高効率なAIモデルの実行が可能です。近年、AI技術の進化が目覚ましく、特にNVIDIA社製のGPUを用いたクラウドAIモデル学習が進む中、エッジAIでもその利点を最大限に生かすことが求められています。
DMPのパーパス
DMPは、「Making the Image Intelligent」という理念のもと、AI技術の進化とともにエッジAI市場の課題を解決するため、Di1を開発しました。推論速度、消費電力、コストの面での制約を打破することを目指しています。このSoCは、最大8チャンネル入力、豊富なI/Oインターフェースを備えているため、柔軟なシステム構成を実現し、多様な製品開発が可能になります。
主な機能と技術
- - AI NPU (ViT/FP4対応): 最新のAIモデルに対応し、高効率な推論を実現。
- - リアルタイム3D測距ハードウエア: ドローンやロボティクスでの高度な視覚認識に貢献。
- - 4K HDR対応ISP: 高品質な映像処理を実現し、セキュリティカメラなどに最適。
これまで他のSoCで対応されていた高機能ブロックを、1チップでまとめることに成功し、これが中小型デバイスのコスト削減につながります。
ターゲットアプリケーション
主に以下の分野において、Di1は大きな可能性を秘めています:
- - セキュリティカメラ: AIによる異常検知で防犯性能を向上。
- - 車載機器 (ADAS/DMS): 事故リスクを減少させる先進的な機能搭載。
- - 高性能ドローン: 360度のマッピングとAI認識が可能で、安全な運用をサポート。
- - ロボティクス: 自律移動支援に貢献します。
DMPとiCatchの戦略的パートナーシップによって実現したDi1プラットフォームは、顧客に様々な価値を提供することが期待されています。販売は2026年3月から始まる予定であり、2025年の「Computex Taipei」で初公開されることが決まっています。
総括
DMPのDi1は、確固たる技術的先進性を持ち、エッジAI市場に革命をもたらす可能性を秘めています。DMPの社長、山本達夫氏も「Di1はゲームチェンジャーである」とコメントしています。今後のエッジAI技術の進展に注目が集まる中、DMPは世界のインテリジェント・エッジ市場をリードする企業としての役割を果たしていくことでしょう。