金融庁、金融商品取引法改正案を発表 - 重要な変更点とは
金融庁が発表した金融商品取引法改正案
令和7年4月11日、金融庁は「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令」等の改正案を発表しました。この改正案は、様々な金融商品や取引に対する法的枠組みを見直すものであり、特に役員・従業員持株会の範囲拡大や、空売り規制の適用除外などが含まれています。
1. 改正の概要
役員・従業員持株会に関する変更
改正案では、役員や従業員が構成員となる持株会に関する規定が拡充されます。これまでは、発行会社及びその子会社の役員や従業員のみが構成員として認められていましたが、改正後は関連会社の役員や従業員も含まれるようになります。これは、グループ企業全体の一体感を高める狙いがあります。具体的には、「関係会社」に発行会社の子会社を含めることで、制度の透明性と明確性を高めます。
空売り規制の見直し
「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」も改正され、子会社株式の現物配当に関する空売りについて、特定の条件下で規制の適用が除外されることになります。この改正により、企業の組織再編に伴う柔軟な経営判断が促進されると期待されています。
持株会に関連する売買報告書の規制緩和
持株会に関する売買報告書等についても、集団投資スキーム持分の適用除外規定が見直されます。これにより、各組合員が持株会を退会する際の一単元未満の株式の売却処理が簡略化され、手続きの負担が軽減される見込みです。
議決権の代理行使に関するルールの整備
さらに、上場株式の議決権を代理行使する際の委任状に関する規定も改正されます。電子提供措置が実施されている場合、委任状参考書類の省略や、関連書類の提出の除外に関する明確化が図られます。これにより、より簡便な手続きが可能になると考えられます。
2. 施行時期と今後の手続き
この改正案は、パブリックコメントを経て、最終的に公布・施行される予定です。この案への意見募集は令和7年5月11日まで行われ、意見を寄せた方の名前や団体名は公表される可能性があるため、注意が必要です。
3. まとめ
金融庁の改正案は、役員・従業員持株会の範囲を広げたり、空売りや持株会の報告制度を見直したりと、現代の市場環境に即した内容となっています。特に、企業の成長や経営戦略の透明性を高める意義があり、多くの投資者や企業関係者から注目されています。今後の施行を待ち望む声や、さらなる意見が寄せられることでしょう。