生成AI活用の現状と課題、経理部門への影響を探る最新調査
Sansan株式会社は、経理部門の働き方を分析するために2112名の経理担当者を対象とした実態調査を実施しました。目玉となるのは、対話型AIの活用状況です。この調査から、経理業務におけるAIの導入は進んでいないことが浮き彫りになりました。
調査の結果概要
調査の結果として、回答者の60%以上が対話型AIを業務で使用していないことが明らかとなりました。対話型AIを利用している方々の中でも、主にメール作成や用語の検索など、職種に依存しない汎用的な業務に限られています。対して、経理特有の業務—例えば財務データの分析やレポート作成、数値照合などにおいては、利用者は2割未満という結果でした。これには、正確性やセキュリティに対する懸念が大きな要因として挙げられました。
調査実施の背景
近年、AIの導入がビジネス界隈で進む一方で、特に経理業務では取引先との支払いや決算など、非常に高い正確性が求められるため、慎重な導入が必要です。このような状況から、Sansanは「Bill One」と称する経理AXサービスを通じて、AI導入の適正範囲を調査する必要性を感じたとのこと。
詳細な調査結果
調査において、「興味はあるが、使ったことがない」という回答が35.5%を占め、次いで「興味はないし使う予定もない」が20.3%でした。さらには、過去に試したが現在は使っていないと答えた人も4.4%に上ります。これからも、興味を示しつつも実行に移せていない状況が伺えます。
このような背景下で、実際にAIを利用している人たちからの具体的な利用用途のデータも収集されました。最も多かったのは、メールやチャットの文書作成や添削で43.7%、続いて経理・税務用語の調査や検索が39.0%、議事録の作成が33.6%でした。対する、経理特有の業務においては、財務データの分析・レポート作成が17.7%、数値照合が10.8%、仕訳データの作成が9.3%という結果になりました。
この数値から、経理财神業務におけるAI利用は極めて限定的であることが確認されました。さらに、対話型AIを利用する上での障壁として、正確性への不安が38.8%、セキュリティへのリスクが35.7%という結果が示されました。ここでの特性を踏まえると、経理業務においてAIを導入するためには、これらの懸念を解消することが急務であると言えます。
Sansan株式会社の見解
この調査を受けて、Sansan株式会社のBill One事業部の副社長である笠場愛翔氏は、経理業務の性質がAI活用を難しくしているという見解を示しました。経理業務は決算や支払いに直結するためミスが許されないため、正確な指示をAIに与える必要があります。その結果、時には工数が増えてしまう可能性もあると警鐘を鳴らしています。
Sansanは、生成AIは単独で用いるのではなく、様々なテクノロジーを組み合わせることで業務効率化を図る必要があると強調。このような進化を通じて、経理業務に新たな価値を生み出すことを目指しています。特に、業務処理に明確な法則がある場合には、ルールベースで100%の処理を行うことが求められ、機械学習AIとは異なる強みを持つ生成AIは特定のプロセスに効力を発揮するよう明確な役割分担が必要です。
結論
AIや他の技術が急速に発展する現代において、経理業務においても最新技術の理解と適切な導入が必要不可欠です。しかし、セキュリティリスクや業務の標準化といった障壁も存在します。Sansanは、Bill Oneが企業の日常業務に自然に統合され、AIの利点を享受できる環境の構築を目指しています。今後も経理業務に最適化された機能の開発に力を入れ、さらなる進化を遂げることでしょう。
調査概要
- - 調査名:経理の働き方に関する実態調査
- - 調査方法:オンラインアンケート
- - 調査地域:全国
- - 調査対象:経理部門の会社員 2112名
- - 調査期間:2026年2月17日〜2026年2月24日
Sansan株式会社は、今後も経理業務の向上に貢献していくことを誓い、AI活用を意識した活動を続けていく所存です。