認知症ケアの新たな希望
2015-06-18 14:06:44

中鎖脂肪酸が認知症ケアの新たな希望に!研究成果を発表

中鎖脂肪酸が認知症ケアの新たな希望に!



2015年5月23日から24日、札幌市で開催された第16回日本認知症ケア学会大会において、日清オイリオグループ株式会社の研究チームが中鎖脂肪酸に関する新たな成果を発表しました。認知症に関する症例報告では、アルツハイマー型認知症者の症状改善を示唆する内容が含まれており、重要な研究として注目されています。

中鎖脂肪酸の研究背景



中鎖脂肪酸は、認知機能の改善に寄与する可能性がある食品成分として知られています。海外での研究では、短期記憶の改善やモデル動物におけるうつ症状の軽減が報告されていますが、日本における症例は少なく、その成果が待たれていました。今回の報告により、アルツハイマー型認知症者における中鎖脂肪酸の有効性が一歩前進しました。

発表された症例報告の内容



ケース1:80代男性の改善事例



最初の症例は、一般診療所通院中の80代男性の事例です。この患者は、約10gの中鎖脂肪酸を2週間以上摂取し続けた結果、もの盗られ妄想や疲労感、実行・記憶機能において改善が見られました。具体的には、俳句を詠むことに再挑戦し、句会への参加を再開、また親戚訪問時には流暢に挨拶や会話ができるようになりました。

ケース2:60代男性9名の事例



次の報告では、若年性認知症者向けデイサービスに通う60代の男性9名を対象にした研究です。これらの患者は、毎日20gの中鎖脂肪酸を半年間摂取し、その結果、7名において不安やうつ症状、加えて日常生活動作の改善が確認されました。介護者の4名は、介護負担感の軽減を実感しており、家庭内での生活も改善された様子が見受けられました。

画像解析技術の利用



また、今回の発表では、画像解析技術を利用して認知症者の表情変化を分析する新しい試みも紹介されました。デイサービスに通う若年性認知症者の笑顔の頻度を数値化し、その結果、体調やレクリエーション内容に応じた表情の変化が確認されました。これは、認知症者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を支援する一助となることが期待されます。

今後の展望



日清オイリオグループは、中鎖脂肪酸の健康機能に関するさらなる研究を進め、信頼性を高める努力を続ける意向です。また、比較対照研究を行い、その有効性を明確にする臨床研究も計画されています。

まとめ



今回の発表は、中鎖脂肪酸がアルツハイマー型認知症者のQOLを改善する可能性を示唆するもので、今後の研究に期待が寄せられています。認知症の治療にとって新たな希望となるかもしれません。

会社情報

会社名
日清オイリオグループ株式会社
住所
東京都中央区新川一丁目23番1号
電話番号
03-3206-5005

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