一建設がHR Tech「ミツカリ」を導入した背景
一建設株式会社は、若手社員の定着率向上を目的に、HR Techサービス「ミツカリ」を導入しました。これにより、企業文化に適応できず早期離職する若手社員の問題を解決するための取り組みを強化しています。特に、全国110ヶ所以上に広がる営業所ごとの文化や空気感の違いが、若手社員の早期離職につながっていたことが課題として挙げられていました。これに対抗するため、ミツカリの「ミツカリエンゲージメント」を活用し、従業員一人ひとりの特性を理解することに努めています。
離職率の現状と必要性
厚生労働省による調査では、建設業界全体の離職率は9.4%と報告されていますが、一建設の離職率は8%以下で、業界平均よりやや低いものの、専門的な建築技術を習得するには約3年が必要です。早期離職が起こると、採用や教育にかけた投資が無駄になってしまう懸念がありました。このため、若手社員が一人前に育つ環境を提供する必要があったのです。
ミツカリエンゲージメントの導入成果
一建設において「ミツカリエンゲージメント」を2023年11月から導入し、約1年半で平均在籍年数が6.5年から8.7年へと約2年も伸びたことが確認されました。この取り組みは、若手社員の早期離職を防ぐだけでなく、組織の健康状態を見える化することも可能にしました。ミツカリのエンゲージメントサーベイは、シンプルな構造で、全体で7問を約1分で回答できる仕様となっており、従業員への負担が少ない点が評価されています。
組織の状態の可視化による安心感
このサーベイによって得られたデータは、従業員の人間関係やコミュニケーションのバラつきまで明らかにし、主観的だった評価が数値化されました。このことにより、社員同士の相互理解が進み、コミュニケーションの改善点が特定されるようになりました。現在、一建設の人事部門ではエンゲージメントスコアの推移を基にした戦略を立て、施策を実行しているところです。将来的には、管理職の評価基準にもこのデータを活用予定です。
ミツカリデータの活用戦略
今後の展望として、一建設はさらに若手社員のエンゲージメントを高めるために、内省を促す研修や、上司からのフィードバックを強化する方針です。金銭的な報酬だけでなく、社会貢献や成長実感を促進する施策を実施し、全社員が持てる力を最大限に発揮できるような職場環境を整えていく考えです。
ミツカリについて
ミツカリは、適性検査やエンゲージメントサーベイを通じて、個々の性格や相性を深く理解し、個と組織の力を最大化するHR Techサービスを提供しています。約10分間でできる性格適性検査を通じて、従業員の特性や組織特性を明らかにし、判断基準を定量化することができます。また、ミツカリの展開は多岐にわたり、2025年4月時点では5,000社以上で実施されるなど、高い効果を上げています。