オルガテック東京2025: オフィスデザインの新たな潮流
2025年、東京ビッグサイトで開催された「オルガテック東京2025」。この業界最大級のオフィス専門展示会には約160のブランドが集い、約45,000人が来場しました。主催はドイツのケルンメッセで、日本においてはオフィスデザインの革新が示されています。
開催テーマは「インテリアの世界を変える。インテリアで世界を変える。」であり、株式会社ソーシャルインテリアが、そのトレンドを独自に解析しました。今、オフィスの形態が変容しつつある理由とその特徴を見ていきましょう。
オフィス空間の新たな価値
現在、オフィスは単なる作業場から「価値のある空間」へと進化しています。今後は「偶発性を活かす設計」が求められ、過度に整った空間よりも、適度な「余白」や「ゆらぎ」のある環境が重視されます。これは、偶発的なコミュニケーションや創造的なひらめきを促すためとされています。
また、「BORDERLESS〜オフィスは私へ〜」という特別展示では、多様なワークスタイルに対応したオフィスの在り方を探求しました。働く場所がオフィス・自宅・サードプレイスを越えて、「自分の居場所」として再定義されつつある未来を感じさせます。
注目のオフィストレンド
1. 人を中心に据えた空間設計
“BORDERLESS”というコンセプトの下、個性や多様性に寄り添った空間づくりが主流になっています。目指すのは、働く人が居心地良く感じられるデザイン。
2. 半個室プロダクトの増加
遮音ブースに続き、今注目されるのが「半個室」の設計です。開放感を保ちながらも、必要なプライバシーを確保した絶妙なバランスが評価されています。
3. ホームファニチャー感覚の拡張
無印良品やリーン・ロゼなどが出展し、「暮らしの延長としてのオフィス」を実現する提案が増加しています。家庭の空間とリンクしたオフィスの重要性が高まっています。
4. サステナブルな企業姿勢
今やサステナビリティは製品の性能以上に、企業全体の姿勢が評価されています。FSC認証やB Corp認証を持つ企業は、空間全体からその理念を伝えることが求められています。
5. ウェルビーイングの重視
仮眠用ラウンジや高機能チェアなど、“座る”行為の再評価が進行中です。ウェルビーイングをサポートするアイテムとしての椅子の役割が再認識されています。
共創型ショールーム「THE MUSEUM」
ソーシャルインテリアの「THE MUSEUM」では、働き方の多様化を反映したオフィス空間を体感できます。各ブランドの家具や照明、アートを組み合わせたリアルな空間が整えられており、企業担当者はぜひ見学ツアーに参加してほしいです。これからのオフィスは企業の“らしさ”を表現する場として、ますます重要な存在になっていくでしょう。
まとめ
オルガテック東京2025からは、従来の作業場の概念を超えたオフィスの未来像が浮かび上がります。多様な働き方に対応した空間デザインや、企業のサステナビリティへの取り組みなど、これからのオフィスづくりには新しい視点が求められます。このトレンドを受けて、さらなるイノベーションがどのように進展するのか、今後の展望に期待が高まります。