岐阜県高山市では、2023年8月8日、地域の文化に根ざした飛騨弁による童話作品「約束」の朗読CDが寄贈されました。このプロジェクトは、作者である山田修虫さんの同級生である青山正史さんが代表を務める「CD制作委員会」によって実現しました。「約束」は、2000年に開催された「第4回愛と夢の童話コンテスト」でグランプリを受賞した作品で、主人公の「正太」が行方不明になっていた「おみつ」との約束を果たすという感動的なストーリーです。
この作品は、2022年に「飛騨のかたりべ・いろりばた」を主宰する諸屋小夜子さんによって朗読され、地元のコミュニティFM「ヒッツFM」で放送されると、地域の皆さんから大きな反響を呼びました。CDの制作にあたっては、高山商工会議所の支援も受けており、地域の人々の協力があってこそのプロジェクトとなっています。
寄贈式では、山田さんから「孫のような皆さんに聴いてもらえるのは夢のようです」というメッセージが伝えられ、諸屋さんによる「約束」の冒頭部分の朗読が披露されました。温かみのある飛騨弁の響きを通じて、特に飛騨弁をあまり使わない若い世代に、地域言語の魅力を再認識してもらうことが期待されています。
飛騨弁の朗読によるこのCDは、単に物語を楽しむだけでなく、地域文化の存続や子供たちのアイデンティティ形成に寄与するものと考えられています。高山市では、今後も地域の文化や言語を守り育てる取り組みを継続していく予定です。この活動は、単なる文化振興にとどまらず、地元愛を育む大切なステップとも言えます。
高山市を訪れる際は、ぜひこの素敵な童話「約束」を聴いて、飛騨弁の奥深さを体感してみてください。そして、このような形で地域文化が次の世代へと受け継がれていくことを願っています。