大阪ガスがDXを推進する成分推定AIシステムの登場
大阪ガス株式会社は、同社が持つ近赤外分光分析技術とAIを組み合わせた「成分推定AIシステム」を新たに開発しました。これにより、高品質で安定的な製品製造が可能になるとともに、製造業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が一層進展することが期待されています。このシステムは、大阪ガスの協力パートナーである株式会社野村事務所や株式会社フジワラテクノアートと共に提供される予定です。
製造業が抱える課題
日本の製造業は、人口減少による労働力不足や熟練技能者の後継者問題など、さまざまな課題に直面しています。これまでの「人の経験」に依存した工程管理を、いかにして次世代に継承し、高品質な製品を安定的に生産するかが大きな問題となっています。これに応える形で、大阪ガスは長年にわたり培った調理機器開発の知見をもとに、様々なセンシング技術を集約。成分の変化や状態を数値化し、可視化する新たな技術を社会に広めていこうとしています。
成分推定AIシステムとは
新しい成分推定AIシステムは、近赤外センサーを使って測定対象物に光を連続的に照射し、その反射光をAIで分析することにより成分を推定します。この技術により、水分量やたんぱく質、脂質などをリアルタイムで非接触で把握できるため、製品への影響を最小限に抑えることが可能です。これにより、品質管理室への運搬待ちの時間が大幅に短縮され、結果として生産効率が向上します。
システムの特長
- - リアルタイムかつ非破壊測定: 測定中の対象物を傷つけずに、即座に成分分析を行えるため、検査による廃棄ロスやリスクを大幅に削減します。
- - 汎用的なAIモデル: 従来は、状態変化や品種が切り替わるたびに特注の検量線を作成する必要がありましたが、AIによって構築された汎用的なモデルがこれに代わります。一貫した高精度な成分分析が実現可能になるのです。
このシステムを導入することで、従来の人の勘に頼ることなく、データに基づいた生産管理が実現します。これにより、工場での作業が自動化され、DXが加速することが期待されます。
今後の展望
大阪ガスは、食品、化学、製薬など、幅広い製造業の品質管理に関する課題を解決するため、野村事務所やフジワラテクノアートとの協業開始を皮切りに、さらなる販売パートナーを積極的に開拓していく方針です。この取り組みにより、大阪ガスのセンシング技術が全ての製造現場に普及し、日本のモノづくり全体のDXをサポートし、持続可能な成長に寄与するソリューションを展開していく予定です。
企業概要
- - 大阪ガス株式会社: 本社大阪府。1897年設立。ガスの製造販売や電力の発電も行う。
- - 株式会社野村事務所: 東京都に本社を置く商社で、特殊化学製品や石油精製用触媒を手がける。
- - 株式会社フジワラテクノアート: 岡山市に本社を持ち、醸造機械や食品機械の開発等を行っている。