肌に優しいUVカット実現!コーセーの革新技術に迫る
近年、紫外線対策がより重要視される中、化粧品業界では肌に優しい成分を求める声が高まっています。そんな中、株式会社コーセーが開発した新しい皮膜形成剤が、紫外線防御の新たな可能性を切り開いています。この技術は、界面活性剤を使わずとも紫外線散乱剤を均一に分散させることができ、肌に優しいファンデーションの実現に寄与しています。
新しい皮膜形成剤の特長
コーセーは、柔軟性のある皮膜形成剤を開発することで、肌にかかる負担を軽減し、UVカット効果を持続させることに成功しました。この技術の根底には、機能性を持つ高分子素材の利用があります。この高分子のウレタン構造が水素結合を形成し、柔軟性を与えながら紫外線散乱剤の保持も実現しています。これにより、化粧崩れを防ぎつつ、刺激の少ない剤形を工夫することが可能になりました。
今回の技術は、2024年10月にブラジル・イグアスで開催される第34回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会でも発表される見通しです。
研究の目的と必要性
紫外線は、特に将来の肌トラブルの一因とも言われています。幼少期から紫外線ケアを開始することが重要ですが、子供の肌は敏感であるため、刺激をできるだけ避ける化粧品の開発が求められています。従来の製品は、紫外線吸収剤や散乱剤を界面活性剤と共に配合することが多く、これが敏感肌にとっては問題となることもありました。
そこで、コーセーは様々な試行錯誤を重ね、今回の皮膜形成剤の開発に至ったのです。この製品は、サンプルを通じて従来製品との比較テストを行い、実際に肌に接触した際のUVカット効果の違いを測定しました。それにより、開発品がより一貫した効果を発揮することが確認されています。
科学的検証による信頼性
開発したファンデーションを使った実験では、肌のような柔軟性を持つモデルに対して塗布した後、疑似皮脂を施したところ、従来製品に比べて開発品の方がUVカット効果の低下が少ないことが判明しました。また、紫外線散乱剤の均一分散が確認され、均一な塗布膜とその効果が維持されることが示されました。
さらに、使用した11人の肌負担について調査を行った結果、開発品の方が塗布膜の硬さが少なく、肌ストレスを感じないという声が寄せられました。このフィードバックは、今後の製品開発にとって重要な基盤となるでしょう。
今後の展望
コーセーは、この新しい皮膜形成剤がファンデーションだけでなく、日焼け止めなどさまざまな化粧品にも応用可能であると考えています。特に子供や敏感肌の人々に対する化粧品の価値向上が期待されており、今後も顧客のニーズに応じた製品の開発を進めていくとしています。
肌に優しい化粧品の実現は、今回の技術によって新たな局面を迎えました。コーセーの今後の展開に大いに注目したいところです。