ユーグレナ社、革新的な化粧品原料「パラミロン原末」を開発
株式会社ユーグレナは、東京に本社を置く企業であり、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を用いた革新的な医薬部外品・化粧品原料を開発しました。その名も「パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)」です。この新しい化粧品原料は、免疫調整機能を高めて肌の美しさを引き出す可能性を秘めており、多くの注目を集めています。
パラミロン原末とは?
パラミロンは、ユーグレナが細胞内に貯蔵する希少成分であり、β-グルカンに類似した多糖です。水にも油にも溶けないこの微細粒子は、平均して2-3μmの大きさで均一性に優れています。ユーグレナ社では、長年の研究を通じて、パラミロンが肌に与える利点についての検証を行い、主要な成分としての特性を明らかにしました。
研究の成果
ユーグレナ社の最近の研究によると、パラミロン原末は肌の免疫機能を介して保湿因子の増強に寄与することが確認されました。皮膚は人体最大の臓器であり、外部からの刺激や微細な侵入物によってダメージを受けやすいです。そこで、免疫細胞の一種、マクロファージの研究が行われました。
実験では、ヒト由来の免疫細胞であるTHP-1マクロファージにパラミロン原末を添加し、その上清を皮膚線維芽細胞に加えることで、ヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現にどのように影響するかを調査しました。結果、パラミロン原末が皮膚の保湿成分であるヒアルロン酸の合成を促進することが判明しました。
炎症の抑制と洗顔料への応用
さらに、パラミロン原末はLPSによって引き起こされる免疫細胞の炎症反応も抑制できることが示唆されています。これにより、肌トラブルの原因を軽減する効果も期待できるでしょう。
また、洗顔料への応用に関しても研究がなされ、パラミロン原末を配合した洗顔料は、きめ細かく弾力のある泡立ちが得られることが確認されました。これにより、肌への摩擦を減らしつつ、効果的に汚れを取り除くことができることが期待されています。
今後の展望
今後、ユーグレナ社はこのパラミロン原末を様々な化粧品や健康食品に展開し、肌の健康への貢献を目指すとしています。特に、アジア市場における需要の高まりに注目し、持続可能な成分としての開発を進める意向を示しています。
ユーグレナ社について
ユーグレナ社は2005年に、微細藻類ユーグレナの食用屋外大型培養技術を確立した先駆的企業です。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を理念とし、持続可能な未来のための製品開発に取り組んでいます。今後もユーグレナとその成分のさらなる研究を続け、化粧品原料の革新を目指していくことでしょう。