2025年に見るZ世代のクルマ離れとその要因、データが示す若者の意識変化

2025年に見るZ世代のクルマ離れとその要因

株式会社KINTOが実施した調査によると、東京都在住のZ世代（18歳から25歳）の72.8％が「若者のクルマ離れ」を自覚しており、昨年から21.5ポイントの増加を示しました。この調査は2025年のデータとして初めて発表され、都内と地方の若者の意識を比較したものです。地方では46.7％が同様の意識を持っているとのことです。

【調査結果の概要】

調査は、都内に住む309名と地方在住の300名が対象で、運転の好みやクルマに対する価値観が焦点となりました。特筆すべきは、83.7％のZ世代がクルマのサブスクリプションサービスを検討していることです。都内においてはこの割合が92.0%に達し、昨年比で11.3ポイント増加。サブスクの需要は急速に高まっています。

【経済的要因とクルマへの意識】

調査では、若者に広がるクルマ離れの背景に、購入価格や維持費の高さ、そして物価の急上昇が影響していることが指摘されています。具体的には、ガソリン代の高騰や生活費の増加がクルマの所有意欲を低下させている要因として挙げられています。都内在住者は49%が「公共交通機関で十分」との回答をし、クルマ所有の必要性を感じていないようです。

【運転に関するポジティブな意識】

しかし、その一方で運転が好きだと回答したのは都内で68.0%、地方で65.3%。若者の中には、クルマに対して十分なポジティブな感情が残っていることが示されています。将来的には、クルマを所有したいと考えるZ世代は高く、都内で69.3%、地方で79.7%が「欲しい」と答えています。

【クルマの購入希望方法】

将来的にクルマを持ちたいという意識がある中で、どのように保有したいかという質問では「現金一括購入」が最も多く、続いて「ローン（残価設定型）」が続きました。また、サブスクモデルも一定の支持を集め、Z世代は新しい購入モデルの提案を求めています。

【収入と消費行動の見通し】

さらに、都内の約51.6%が収入の増加を予想し、そのうち80%が消費を増やす意向を表明しました。一方で、地方では収入増加を見込む割合は低いものの、消費を増加させる意向が強いことがわかります。この調査結果から、若者世代は未来に対して希望を持ちながらも、現実の経済状況や物価上昇に懸念を抱いていることが見受けられます。

【まとめ】

2025年版のZ世代のクルマに関する意識調査からは、クルマ離れとその背後にある経済的要因が浮き彫りになりました。運転そのものには好意的な意識があり、将来的なクルマ所有への希望も高いことから、柔軟な購入モデルやサブスク形式が求められていると言えるでしょう。若者世代がクルマを取り巻く状況の変化にどう適応していくのか、今後の経済情勢とともに注視していく必要があります。

本記事は株式会社KINTOの調査結果をもとにしています。