JR東日本グループは、持続可能な社会を目指し、「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」という長期的な環境目標を掲げています。この目標は、2030年度までに2013年度比でCO2排出量を50%削減し、2050年度までには「実質ゼロ」を実現することを目指しています。
これまでJR東日本は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの開発に努め、新型車両の導入による省エネ化や、自営火力発電所の効率化を進めてきました。この度、国が新たに設定した削減目標(NDC)に基づき、2035年度および2040年度までの中間目標を新たに設定しました。2035年度にはCO2排出量を2013年度比で60%削減、2040年度には73%削減を目指します。
中間目標を定めることで、2050年度の「実質ゼロ」の実現に向けた取り組みが一層具体的かつ現実的になります。JR東日本グループは、ゼロカーボンを実現するために、エネルギーの創出から使用に至るすべてのフェーズでの排出量削減を徹底して行う方針です。
特に注目すべきは、2023年8月に宣言されたSBT(Science Based Targets)に関する取り組みです。これは、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標がパリ協定に基づく水準に整合することを求めるものです。このSBTを取得するためには、サプライヤーの排出量(スコープ3)も考慮する必要がありますが、JR東日本はその範囲が非常に広いため、慎重に検討を進めている状況です。このため、SBTの申請は見合わせることとなりましたが、2030年度のカーボンハーフ達成と新しい削減目標の達成を最優先に取り組んでいく方針です。
JR東日本グループには、2050年度までの「実質ゼロ」実現に向けての強い意志が感じられます。これらの新たな目標設定は、脱炭素社会の実現に向けた具体的なステップであり、今後の進捗に注目が集まります。また、環境への配慮が企業価値の向上にも寄与するという観点から、JR東日本の取り組みは他企業にとっても良いお手本となるでしょう。
今後もJR東日本がどのように目標達成に向けた取り組みを進めていくか、その結果を期待しつつ見守りたいと思います。持続可能な未来のための挑戦は、全社会にとっての重要な課題であり、JR東日本がその先頭に立ち続けることを望みます。