生活クラブが「SDGsアワード2024」経済部門賞を受賞の意義

生活クラブが「SDGsアワード2024」で経済部門賞を受賞

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会は、「加工用トマトの計画的労働参加」という取り組みで、2025年3月11日に開催された「ニューズウィーク日本版 SDGs アワード 2024」で経済部門賞を受賞しました。この賞は、消費者との連携を通じて持続可能な農業を実現する取り組みが評価されての事です。

授賞式が行われた東京アメリカンクラブで、生活クラブ連合会の常勤理事、山本江理氏が登壇し、受賞に対する感謝と今後の展望について語りました。山本氏は、「国産の安心できるトマトジュースを飲み続けるためには、生産者だけに生産を任せるのではなく、消費者自身が積極的に関わることが大切であり、そういった視点を持って30年前からこの取り組みを始めました。」と述べました。

この取り組みが始まった1995年からは、生活クラブの組合員自らが農作業に参加し、トマトの苗を植えたり収穫したりしています。これにより、ボランティアではなく、労働力としての参加が行われ、集められた賃金は参加者の日当に反映されます。

このシステムの中で消費者は、トマトジュースに必要なコストを負担しつつ、直接的に農業支援の一端を担っています。こうすることで、持続可能な生産体制が確立されているのです。

SDGsに向けたさらなる取り組み

今回の受賞は、生活クラブが取り組む「ローカルSDGs」の一環としての意義を強調します。この活動により地域や世代を超えたつながりを育み、環境問題や高齢化といった課題に対しての解決策を提供しています。

トークセッションには、慶応義塾大学の蟹江憲史教授が登壇し、受賞団体への質問に答える形で議論が交わされました。蟹江教授は、農業に対する学生の関心を高めるための方法として、具体的な教育事例を紹介しながら重要な視点を提示しました。

生活クラブの取り組みでは、生産活動における教育的側面が強調され、都会に住む組合員が野菜の育成過程を知らない世代であることから、実際の農作業体験が自然環境への理解を深め、気候変動の影響を実感する機会を提供しています。こうした活動を通じて、農業従事者の負担軽減と労働力の確保が実現され、農業の持続可能性を高める効果が期待されます。

受賞の意義を再確認

この受賞をきっかけに、生活クラブはより一層の地域貢献と持続可能な社会の構築に向けて活動を強化していく意向を示しています。「ニューズウィーク日本版 SDGs アワード 2024」は、SDGsを実践する日本の企業や団体を対象に、その取り組みを評価するプラットフォームとして位置づけられています。

生活クラブの組合員数は約42万人に達し、21都道府県、33の地域生協を有し、事業高は約1,000億円にのぼります。これからも持続可能な生活様式を目指し、地域との連携を強め、より良い未来を作るための活動を推進していくでしょう。