唐津市の呼子小学校におけるESDの実践
佐賀県唐津市に位置する呼子小学校では、5年生を中心に、持続可能な開発のための教育(ESD)に基づいたビーチクリーン活動が行われています。これは、地域の未来を担うための重要な取り組みです。2024年12月15日と12月17日に行われたこの活動は、環境問題に対する意識を高めるとともに、できるだけ多くの子どもたちに海洋教育を体験させることを目的としています。
ESD活動の背景
呼子小学校では、NPO法人唐津Farm&Foodと協力し、ビーチクリーン活動と海洋教育の授業を組み合わせたプログラムが進められています。これは、地域の課題に向き合うため、児童が主体的に行動し、自らの手で解決策を考えることを奨励するための取り組みです。子どもたちはクリーン活動を通じて、目の前の海が抱える問題と向き合い、未来への責任感を育むことを目指しています。
ビーチクリーン活動の実施
12月15日のビーチクリーンは、特別な回として、回収されたごみを分別することに重点を置いて行われました。この日に集められたゴミの量は、前回の活動よりも増加しており、北西九州に漂着するゴミが季節風や海流の影響で集まりやすくなる時期であることを子どもたちは体感しました。特に、幼稚園児も参加し、5年生の児童が年下の子どもたちを優しくサポートしながら清掃活動を行いました。
分別作業と学びの深化
クリーン活動の後には、児童たちが回収した海洋ごみを丁寧に分別しました。各種のごみの背景やその行方に思いを巡らせ、自らの行動が環境問題に与える影響について考えることが求められました。この分別作業は、来年2月に予定されている学習発表会に向けた教材としても活用される予定です。体験を単なるイベントとして終わらせるのではなく、持続的な学びに繋げることがESDの理念です。
海洋教育の実施
12月17日には、ビーチクリーンの経験を踏まえた海洋教育の授業も行われました。児童たちは、自分たちが集めたごみから学んだことを応用し、海外からのプラスチックごみの現状や、日本国内外の海洋ごみ問題を分析しました。また、「呼子の海」と他の海とを比較し、地域の特徴を理解する姿勢を育んでいました。授業の最後には、振り返りとして、自らの言葉で得た気づきを整理し、次の行動へとつなげるESDが行われました。
海への興味を育むための書籍
授業では、一般社団法人Think the Earthから寄贈された書籍『あおいほしのあおいうみ』も児童に贈られました。この本は美しい写真やイラストを通じて、子どもたちの海に対する興味を深める教材として利用される予定です。
地域の未来づくりへの貢献
呼子小学校の児童たちの取り組みは、地域の海に対する理解とその保護につながっています。次回は2025年2月に開催される学習発表会に向けて、さらなる学びが進められていくでしょう。また、NPO法人唐津Farm&Foodは今後も地域志向のESD活動を推進し、持続可能な未来の実現に向けてコミュニティとの連携を深めていきます。