デジタル資産復旧の新時代、ビットコイン・セイヴァーの誕生
2025年12月1日、売れるネット広告社グループから新たに誕生した『ビットコイン・セイヴァー株式会社』が、国内初のデジタルアセット・リカバリー事業をスタートさせました。今、世界中で約60兆円に相当するビットコインが「失われた資産」となっている中、この会社はどのようにしてその復旧を目指すのか、深く掘り下げていきます。
設立の背景
近年、ブロックチェーン技術の進化により、暗号資産やNFTを含むデジタルアセット市場は急成長を続けています。2024年12月には、暗号資産市場は約3.91兆ドル、日本円で言うと約587兆円の規模に達しました。2025年現在もこの勢いは続いており、国内市場でも2024年には約4,335億円に達すると予測されています。この背景には、デジタル資産の安全性や活用に対する社会的な関心の高まりがあります。
しかし、急成長する市場には新たなリスクも潜んでいます。特に、暗号資産のパスワードの紛失や秘匿鍵の管理不全、取引所の障害、さらには相続に伴う課題などは、既存の金融システムでは解決が難しい問題です。これにより、復旧・保全サービスへの需要はますます高まっています。特に、海外ではこうしたサービスが増えており、国内でもこの潮流に乗る必要があると判断した結果、ビットコイン・セイヴァーが設立されました。
サービスの特長
ビットコイン・セイヴァーでは、24時間対応のオンラインサポートを提供し、迅速に相談を受け付けます。また、料金体系は、「回収資産の40%を成功報酬」とし、着手金など初期費用を抑えることで、利用者のリスクを低減します。技術者チームには、OSCP・OSWE資格を持ち、ハッキングコンテストで1位を獲得した実績のある岩田顕斗氏を中心とする専門家が揃っており、高度な技術力を誇ります。
岩田氏は過去に数億円分の暗号資産を復旧してきた実績があり、その解決率は90%以上。暗号資産ウォレットのアクセス復旧専門のこの新事業は、日本国内においても先進的な取り組みとして注目されています。
今後の展望と成長戦略
ビットコイン・セイヴァーの設立は、単なるサービス提供にとどまらず、将来的にはWeb3領域におけるユニコーン企業を目指す意向も示されています。会社の代表は、370万Bitcoinの1%を救うことを最大の目標とし、デジタル資産の復旧を通じて新たな価値を創造する姿勢を強調しています。
今後は、法人向け資産管理や相続関連分野への進出も視野に入れ、逆境の中で眠る資産を掘り起こす「最後の砦」となることを目指しています。さらには、AIやセキュリティ分野とのシナジーを生かし、国際的にも通用する高いサービス品質を維持することで信頼性を高め、グローバルな展開を進める考えです。
このように、ビットコイン・セイヴァーの誕生は、デジタル資産の復旧と保全サービスにおける新たな挑戦の幕開けを示しています。今後の市場動向に注目し、彼らがどのようにして失われた資産を取り戻すか、また、社会に与える影響に期待が高まります。