近年、企業が提供する学習の効果が注目されている中、株式会社Schooが実施した調査結果が興味深い。特に、従業員がどの程度学んだことを業務に活かしているのかという点において、驚くべき乖離が見られた。この調査は、従業員数が1,000人以上の企業で働く人事担当者や従業員を対象に、eラーニングや研修の実態について明らかにしたものだ。調査結果によれば、企業が提供する学びが自身の業務に「とても活かされている」と答えた従業員はなんと10.4%。対して、人事担当者の36.1%がそのように認識しており、実に約3.5倍のギャップがあることが明らかになった。
調査結果の背景
こうしたギャップが生まれる理由は何か。調査によれば、従業員が学びを実務に接続するための場が求められていると考えられる。実際、上司や同僚とどう活かすかを対話した経験がある従業員ほど学習活用度が高い結果が出ており、対話の機会がその活用を促進する重要な要素であることが示されている。
課題と解決策
企業が提供する学習機会があっても、実際に現場でそれを活かせるかどうかは別問題だ。多くの従業員が「学びたい」と思っているものの、実行するために必要な「実務で試す機会」や「具体的な活かし方」に関しては悩んでいる実態がある。特に、上司や同僚と対話の経験がない層では、活用実感が著しく低下することが調査から確認された。このため、企業がその課題を解決するためには、ただ学習機会を提供するのではなく、「学んだことをどのように実務に活かすか」を一緒に考える機会を設けることが重要だといえる。
対話を重視する人事の重要性
企業において人的資本への投資効果を最大化するためには、学習の機会と実務との接続点を設計することが不可欠である。「職場と学びのつながり」を意識して、戦略的に対話を促すプログラムを導入することが求められる。
法人向けソリューション
株式会社Schooは、法人向けにオンライン研修プラットフォーム「Schoo for Business」を展開し、多様な業務に役立つ動画コンテンツを提供している。また、研修後のフォローアップや学習状況の可視化を通じて、学びを実務成果につなげる支援を行っている。
総括
企業の学習プログラムの運用において、単に知識を提供するだけでなく、どのようにそれを活かすのかを考える「対話のデザイン」が必要だ。従業員が「学びを実務に接続するための場」を求めている今、企業はそのニーズに応えるため、戦略的なアプローチを取ることが求められている。これにより、学びを現場の成果に変えることができると期待される。従業員にとっても、これがキャリア形成や成長を促す大きな力となるだろう。