福知山の新たな産業創造に向けた挑戦と成果報告会の幕開け

福知山市では、新たな産業の創出を目指して「NEXT産業創造プログラム」が始動しました。この取り組みは、福知山公立大学との連携により、2021年度からスタートし、地域の若き起業家たちに向けた教育と支援を行っています。今年度からはさらに新たなステップとして、修了生向けの事業拡大プログラム「F-StartUp」が設けられました。

2025年3月1日には、これまでの成果を発表する「NEXT産業創造プログラムPBL・F-StartUp成果報告会」が開催され、2チームのPBL型科目参加者と3社のF-StartUp企業が自らの進捗と成果を共有しました。今年も引き続きSHIBUYA QWSとの連携が強化され、さらなる事業提携によるネットワーク構築が期待されています。

この3年間での成果を見てみると、クラウドファンディングによるテストマーケティングでは、約740万円もの支援を達成し、750人を超える支援者を獲得しました。これらの数値は当初の目標を大きく上回り、各種メディアにも取り上げられ注目を集めています。

具体的なプロジェクトとしましては、まず「しるくのもとプロジェクト」が挙げられます。これは、奥京都の伝統的な絹産業から派生した取り組みで、地域特産の桑の葉を活かした美容スキンケア商品の開発が行われています。桑の葉は、ビタミンEが豊富で、敏感肌にも優しい成分が多く含まれています。「シルクのような健康的な肌を増やしたい」との願いを込めて名付けられたこのブランドは、クラウドファンディングで見事に目標金額の100万円を達成しいるほか、2025年7月15日のアイテム発売も予定しています。

もう一つの注目は「幸福R00プロジェクト」です。これは、地元夜久野町からUターンした山下美紀さんが、地域の和漢植物を使った高級クラフトティーを開発したものです。『R』は故郷を示す「ルーツ」、心の「レスト」、植物の「ルート」を意味し、プレミアムノンアルコールティーとして販売されています。クラウドファンディングでは、75名の支援者から1,380,000円を集め、今後は「Rシリーズ」の展開や地域産を生かした新商品開発を目指します。

F-StartUpプログラムには、株式会社大一設備飲食事業部D1cafeが参画し、小麦アレルギーに配慮したグルテンフリーのカフェを運営しています。代表の大槻智美さんは、自身の子どもがアレルギーを持つ経験から、この事業を展開しました。今後はさらに給食市場進出や店舗の多店舗展開を目指しています。

また、株式会社Seasonは、バイオ炭を活用する持続可能な農業を推進し、地域の資源を循環させる取り組みを進めています。特に、まだ活用されていない未利用バイオマス資源を調査・活用し、地域の農業の生産向上を目指しています。

加えて、株式会社Lifexiaも取り組みを始めており、地域の資源を生かしたスキンケアブランドの開発を推進しています。桑の葉を活用する「しるくのもと」や、地元の高校と協力した「福知山キキョウ」ブランドの拡大も果たしています。地域の資源を生かし、学生たちとともにブランドを育てる取り組みは、全国に広がる可能性を秘めています。

これらの取り組みを通じて、福知山は地域経済の活性化を目指し、新たなビジネスモデルの確立に向けて挑戦を続けています。今後も多くの若者たちが参加し、更なる成長を遂げるこのプログラムから目が離せません。