Matilda Booksの革新的な取り組み
株式会社Matilda Books(東京都渋谷区、代表取締役:百野 拓也)が、資金調達を完了し、その資金を用いて革新的なSaaS「Matter」の開発を進めることを発表しました。「Matter」は、企業内のスキルを可視化し、育成を一体で実現することを目指したプラットフォームで、今後の企業の人材育成において重要な役割を果たすことが期待されています。
労働市場における課題
近年、日本の労働市場では、学びやスキルを向上させる努力が十分に処遇に反映されていないという問題が指摘されています。従来の終身雇用やOJT(On-the-Job Training)中心の育成方法には限界があり、経済産業省はスキルベースの人材育成の重要性を提言しているものの、実際に取り組む企業は多くても、その運用にはいくつかの課題が残っています。特に、研修の成果を可視化することや、運営リソースが不足しているという問題が顕在化しています。
従来の学習管理システム(LMS)は、学習の進捗を管理するだけであり、必要なスキルを可視化し、効果的な人事施策をとるための情報を提供することは難しいのです。このため、企業は学習体験(LXP)を通じて、理解度やスキルを正確に把握し、それを人事部門に還元できる仕組みが求められています。「Matter」は、会話データや表情、発言内容を解析し、人材育成のための有用なデータを活用することで、これらのニーズに応えます。
「Matter」の特長と目的
「Matter」は、会話中心の学びをデザインし、ファシリテーションの自動化、学習データの分析、スキルの可視化を行うSaaSです。このプラットフォームは、コミュニティ・ラーニングや学びに向かう文化の醸成を担うことを目指しています。すでに多数の大手企業において実証実験が進行しており、その実績が今後の導入拡大を後押しすることでしょう。
今回調達した資金は、開発体制の強化や新機能の実装を進めるために利用されます。特にリードエンジニアの採用により、プロダクトをより充実させ、ファシリテーションAIやスキルマイニングといった新機能を搭載することが計画されています。
エコシステムの形成
クオンタムリープベンチャーズ代表パートナーの諏訪 博俊氏は、「人的資本経営」や「リスキリング」が社会的テーマとして注目を集めている中で、「Matter」が人材育成プロセスをデータドリブンで可視化し、改善できる点がユニークであると評価しています。百野さんを中心に組織人事とデータサイエンスを融合させたチームが、さらなる成長を遂げることを期待されています。
代表の意気込み
百野 拓也氏は、今回の資金調達について、「誰もが当たり前に学び、成長し、自分の人生を選択できる社会を目指し、スキルベースの人材マネジメントを根付かせるために挑戦していきます」と語っています。さらに、アクティブラーニングを用いた効果的な学びの場を提供し、働くすべての人々の可能性を広げる意向を示しています。
株式会社Matilda Booksについて
株式会社Matilda Booksは、2022年に設立され、デジタル人材育成や組織開発、SaaS開発など、幅広い分野でサービスを展開しています。「Matter」はその核心を成すプロダクトであり、企業の人材育成を革新することを目指しています。今後も、クオンタムリープベンチャーズと連携しながら、事業の展開に全力を注いでいく予定です。
この革新的な取り組みは、日本における人材育成の新たな方法を提示するとともに、企業の競争力向上にも寄与する可能性があります。私たちは、Matilda Booksが描く未来に大いに期待しています。