株式会社レゾナックの新しい技術
株式会社レゾナック(CEO:髙橋秀仁)は、スマートフォンなどの電子機器に使われるインダクタ用の磁性封止材において、曲げ強度が従来品と比較して1.4倍に向上した新素材の開発を発表しました。この新しい磁性封止材は、衝撃や湿度によるインダクタの機能低下を防ぎ、機器全体の信頼性を高める重要な役割を果たします。
この製品は2026年から量産が開始される予定で、業界の期待が高まっています。
開発の背景と技術
昨今、AIや5G技術の普及により、信号のノイズ除去や電圧制御といった複雑な機能が求められるようになってきました。このため、インダクタに対する需要は増加しており、それに伴い磁性封止材にも優れた性能が求められています。特に、インダクタの信頼性は製品全体の品質に直結するため、堅牢な接合強度が必要とされています。
従来、インダクタは導線がコイル状に巻かれた巻き線インダクタが主流ですが、巻き線インダクタの磁性封止材には樹脂と磁性粉の界面で強度が保持されないという課題が指摘されています。この問題を解決するために、レゾナックはカップリング剤に着目しました。
量子化学計算を活用した開発
カップリング剤の種類は多岐にわたり、全てを実験で評価するのはコストと時間がかかるため、レゾナックは量子化学計算を用いて磁性粉のコーティングと樹脂の接合におけるカップリング剤の効果を解析しました。この手法によって、従来よりも迅速に最適なカップリング剤を選定し、樹脂と磁性粉の接合力を向上させることができました。
その結果、曲げ強度を従来の1.4倍にすることに成功したというわけです。これにより、磁性封止材としての信頼性が大きく改善され、今後の展開が期待されます。
他分野への応用可能性
今回の技術は、金属を含む材料との接合強度を向上させることが可能であるため、幅広い分野への応用が期待されています。特に金属と樹脂の接合が必要な複合材料の開発においても、この技術は貢献することができるでしょう。
レゾナックは、今後も時代の要請に応じた機能を提供し続けることで、持続可能な社会の発展に寄与するとともに、技術的な革新を追求していきます。
企業情報
株式会社レゾナックは、2023年に昭和電工と旧日立化成が統合して誕生した機能性化学メーカーです。2024年度の半導体・電子材料の売上高は約4,500億円を見込んでおり、業界内では特に半導体材料において世界的な地位を確立しています。社名の「Resonac」は、「共鳴する」という意味を持つ「RESONATE」と「Chemistry」の「C」を組み合わせたものです。新たな価値を創出するため、今後も国内外のパートナーとともに技術革新を進めていくことを目指しています。
詳細は
レゾナックのウェブサイトをご覧ください。