はじめに
近年、ICT技術の進化に伴い、インフラエンジニアの役割がますます重要になっています。今回、株式会社ラクスパートナーズが実施した調査によると、304名のインフラエンジニアがそのキャリアや働き方について貴重なデータを提供してくれました。この記事では、彼らの経験やスキルについて詳しく見ていくことにします。
調査概要
本調査は主に、20代から50代の実務経験1年以上、年収300万円以上のインフラエンジニアを対象に行われました。調査内容は、彼らの業務内容、職種、働き方、年収、資格取得状況など多岐にわたります。全体の傾向に加え、個々の属性に基づいたデータも収集されています。
インフラエンジニアの業務範囲
調査結果によると、インフラエンジニアの業務内容には特に「セキュリティ」、「構築・設計・運用」が多く見られます。特にセキュリティ関連に注力しているエンジニアが多く、システムの防御や監査に関する業務が多くを占めています。また、職種別に見ると、ネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアが全体の多くを占めており、専門性の高い仕事が要求されています。
就業形態と勤務スタイル
「自社開発」を選んでいるエンジニアが42.4%を占め、次いで「受託開発」と「派遣/SES」という結果も印象的です。特に自社開発が多い背景には、長期的なプロジェクトや社内インフラへの関与が深いことが考えられます。また、勤務スタイルとしては「ハイブリッド勤務」が43.4%、フルリモート勤務が42.8%と、働き方も大きく変化しています。リモートワークが可能な環境が整いつつある印象を受けます。
転職回数と勤続年数
転職回数に関しては、1〜2回という回答が最も多く、特に「2回」が最多という結果が出ています。一方で、転職経験がないという回答も一定数存在しており、職場に長く留まることでキャリアを積み重ねているエンジニアも多いようです。勤務年数については、3〜5年未満が最も多く、安定したキャリア形成がうかがえます。
年収の実態と要因
年収に関しては、500〜700万円の層がボリュームゾーンであり、過去の大きな年収上昇額も「約51〜100万円」の範囲が多いとのことです。年収の上昇要因としては、主要資格の取得が最も多く挙げられ、「マネジメント経験」と「高度な技術領域への挑戦」が続きます。これにより、資格は直接的な昇給に繋がることが明らかになりました。
資格取得の傾向
資格の取得状況では、「基本情報技術者」を持つエンジニアが37.5%と多く、ネットワークやクラウド関連の資格も人気です。このように、基本的なITスキルを抑えつつ、複数の領域でのスキルの重要性が増していることがわかります。特に、クラウド技術の急速な普及とセキュリティ要求の高まりから、専門的な資格の獲得が今後のキャリアにおいて不可欠になるでしょう。
まとめ
インフラエンジニアは、IT業界において不可欠な存在であり、そのキャリア形成には多様性が見られます。柔軟な働き方や昇給の要因となる資格取得の重要性が明らかになった今回の調査結果は、今後のキャリアを考える際に多くの示唆を与えてくれるものです。インフラエンジニアとして成功するには、基礎的な資格に加え、高度なスキルを習得していくことが求められる時代が到来しています。