アートによる新入社員研修の新しい形
2024年度、新入社員研修の重要性はますます増しています。特に、経済産業省は新たな試みとして、合同会社anohiによるアートを活用した研修プログラムを導入しました。この取り組みは、250名の新入職員と120名の双日株式会社の新入社員が参加し、今後さらに多くの企業に広がることが期待されています。
新入社員育成の課題
厚生労働省の調査によると、2020年に卒業した新規学卒者の約3年以内の離職率は、新規大学卒業生が32.3%、高卒者が37.0%に達し、この問題は多くの企業にとって深刻な課題となっています。また、Z世代はプライベートの充実を重視する傾向があり、主体的に業務に取り組む人材の育成が求められています。これに対処するために、従来の座学中心の研修から脱却し、実践的で楽しい研修プログラムが必要です。
アートを活用した新入社員研修
合同会社anohiは、2018年からアートと対話を基盤にした研修を行ってきました。従来のビジネスマナーや専門知識の座学中心の学習から脱却し、新入社員が主体的に参加し、笑顔で学べる研修スタイルを確立しています。新入社員たちは、仲間と共に作品を共創し、本音でそれぞれの未来のビジョンを描くプロセスを通じて、他者とのコミュニケーションの重要性を学びます。このようなアプローチは、離職率の低下にも寄与しているとされています。さらに、2025年度に向けたリニューアルでは、研修と実務をより強化して結びつけるために、事後のフォローアップ体制も強化されます。
不確実性の時代にアートがもたらす価値
2023年には、経済産業省から「アートと経済社会について考える研究会」報告書が発表され、企業の求める人材についての洞察が示されました。この報告書では、不確実性が高まる現代において、アートが組織内での求心力や差別化、さらにはAIに代替されない創造性豊かな人材育成に貢献できるとされています。アートを活用することで、各個人が持つ独自の価値観が引き出され、自己表現が可能になるのです。
研修の日程
2025年には新しい研修が4月2日と3日の2日間にわたり開催されます。参加希望者や取材希望の方々は、合同会社anohiへお問い合わせをしてください。
会社概要と歴史
合同会社anohiは、東京都目黒区に本社を置き、2018年に設立されました。代表の鎌田奈那美さんは、慶応義塾大学を卒業後、IT企業に就職。新入社員時代に組織内コミュニケーションにストレスを感じたことが起業の原体験となり、アートを通して本音のコミュニケーションを促進する活動を行っています。これまでには、経済産業省や双日株式会社、パナソニックなど多くの企業が同社の研修プログラムを導入しています。アートを通じて自己の解放を促し、より良いチームづくりを目指す合同会社anohiは、今後の展開にも期待が高まります。