新潮社倉庫「soko」の誕生
新潮社は、明治29年に創業し、長い歴史を持つ出版社です。しかし、創業130周年の節目を記念し、昭和34年に建てられた出版倉庫を美術・工芸のギャラリー「soko」として生まれ変わらせることにしました。
この倉庫は、1970年代の出版業の高成長期に500万冊を収蔵するために建設され、戦後の出版文化の重要な資産ともいえる存在です。国の有形文化財に登録されているこの建物は、戦後の日本における出版業の隆盛を物語っています。倉庫内部は、堅牢なコンクリート構造で、その無骨な内観は往時の職人たちの手仕事の跡が見受けられ、多様な表情を見せています。例えば、柱や梁の角に施された面取りは、かつての技術の証ともいえるでしょう。
この倉庫が再び注目を浴びるきっかけとなったのは、1階と3階の改装です。建築家の中村好文が監修したこのプロジェクトは、「青花室」の事業を中心に、さまざまな展覧会やイベントが開催される場となりました。「青花室」は、2014年に設立された「青花の会」を基盤にしたもので、工芸品をテーマにし、その魅力を広めるために活動しています。
ギャラリー「坂田室」では、故・坂田和實さんが集めた優れた工芸品を展示しており、特に彼が提唱した「なんともないものこそ美しい」という美学を体感することができます。また、現代の生活文化を反映した「生活工芸」運動とも連動しており、これまでに多くの展覧会や講演などが行われてきました。
新潮社は文芸書だけでなく、美術や工芸に特化した書籍も数多く出版してきた歴史を持っています。これからは、「soko」を通じて本に触れ、新たな体験ができる場を提供することに期待が寄せられています。
倉庫のデザインは、中村好文が手掛けており、開放的で心地よい空間が広がる2階の共用部には、訪れた人々が互いに刺激を受けられるような工夫がなされています。また、7つのギャラリーが共同で開催する展示も予定されており、そのすべてが「青花」の理念を共有する仲間です。さまざまな工芸品目が並ぶ様子は多くの人々を楽しませること間違いありません。
開廊イベントの詳細
新潮社倉庫「soko」は2026年3月27日に新たに開廊します。部分的に予約制のイベントも予定されていますので、皆様のお越しをお待ちしております。モダンな住宅のような内装が印象的な「soko」で、ぜひ新しい知見を得てください。
- - 住所: 東京都新宿区矢来町71
- - 開館時間: 11:00~20:00
- - 休館日: 毎月第3水曜日、年末年始
この新たなギャラリーが、多くの人々に愛され、文化的な発信の場として成長し続けることを期待しています。これからの「soko」の展開に、目が離せません。