教育経験格差の実態を語る講演会概要
2025年12月13日、藤井健人氏を講師に迎えた講演会『教育経験格差 ~不登校・定時制の「その後」に待ち受けるもの~』が開催されました。このイベントはNPO法人マナビダネが主催し、様々な立場の参加者が集まりました。藤井氏は小学校5年生から中学校にかけての不登校、さらには定時制高校での経験を経て、早稲田大学と東京大学大学院に進学しました。現在は文部科学省に在籍し、教育現場における課題にも目を向けています。
彼の講演は自らの体験をもとにしたもので、不登校にまつわる「社会構造の問題」について深く掘り下げられました。参加者は、自分自身の立場によって異なる視点から不登校の問題を見る機会を得て、それぞれが抱える問いを心に留めて帰ることとなりました。
不登校の背後に潜む社会構造
講演では、不登校当事者の「生きづらさ」がどこから来るのかについても触れられました。特に、学校以外の場所で学んできたことや、異なる進路選択が「特別」として扱われることが多い現実が指摘され、教育制度に潜む課題が浮き彫りにされました。参加者たちは「学校に行けなかったその後」に続く生きづらさについて考え深めることができました。
藤井氏は、社会の中で一定の位置に留まることが難しい構造に言及し、一人の支援者では解決が難しい大きな課題であることを強調しました。それでも、仲間とともにこの問題と向き合うことの大切さを訴え、参加者との対話を促しました。
講演後の感想シェア会
講演を終えた後、参加者からの要望も受けて、藤井氏の講演内容を振り返る感想シェア会が、2025年2月26日にオンラインで開催されることが決定しました。このシェア会は参加無料で定員が20名に限られています。申し込みフォームに登録することで、参加URLが後日送信されます。
参加者からは「人生経験を話すことは容易ではないが、孤立しない学びの場の重要性を改めて感じた」という声や、「不登校や定時制というテーマは社会構造と深く結びついている」といった共感の声が寄せられました。また、教育関係者や民間支援者からも建設的な意見が出され、「学校の外での学びをもっと積極的に受け入れるべきだ」という要望が浮かび上がりました。
参加者の多様な視点からの意見
講演参加者の中には、教育現場に従事する人や、実際に不登校を経験した学生、さらには保護者といった多様なバックグラウンドを持つ方々が居て、それぞれの立場からの意見が寄せられました。「不登校をめぐる問題は個人の努力だけでは解決できない」との理解が広がったことも重要な成果です。
例えば、高校生からは「自分の経験と重なる部分が多い」との声があり、今後の進路に迷いを感じているとの意見がありました。教育関係者の中には、聴衆の反応を受けて教育システムの変化を求める意見もありました。総じて、多様性に富んだ意見が集まり、教育経験格差の問題についての理解が深まる場となりました。
マナビダネの使命
NPO法人マナビダネは、埼玉県入間市を拠点に不登校や学校に馴染みにくい子どもたちが安心して学べる「フリースクールいろいろダネ」を運営し、学びのセーフティネットを構築する活動を行っています。教育システムの中で見えにくい問題に光を当て、みんなが安心して学べる地域社会を実現するための努力を続けています。今後、さらなる活動として、新たな学びの場の提供や、支援者向けのシンポジウムなども計画されており、地域に根ざした支援体制が期待されます。
藤井氏の講演内容は多くの方に刺激を与え、今後の教育現場や社会への意見形成に繋がることが期待されます。教育経験格差というテーマを通じて、参加者同士が共に考える環境を整え、次世代を育むための大切な行動を促進していくことが求められます。