三菱商事が導入したミルシート電子管理システム「Mill-Box」
三菱商事株式会社のマテリアルソリューショングループ産業素材DX部が提供するクラウド型電子ミルシート管理システム「Mill-Box」が、清水建設株式会社の施工する常盤橋プロジェクト「Torch Tower」に導入されました。この導入により、鋼材の品質を証明するための書類、いわゆるミルシートの管理業務が大きく変革を遂げています。
従来のミルシート管理の課題
建設業界では、使用する鋼材の品質証明書が膨大に発生し、これらの書類は従来の方法では紙で管理されてきました。ミルシートには鋼材の重量集計や鉄筋タグとの照合が必要であり、これを一枚ずつ手作業で目視確認する必要がありました。このプロセスは手間がかかり、現場の生産性に影響を与える重大な要因となっていました。
特に、大規模な建設プロジェクトでは、数名の専任者が必要になることもあり、効率的な作業環境の構築が急務でした。このような従来の管理方法を踏まえ、清水建設では業務の効率化を図る必要がありました。
デジタル化への前向きな取り組み
清水建設は、業務の効率化や電子化に対して積極的に取り組んできた企業であり、ミルシートの電子管理にも期待を寄せていました。「Mill-Box」は直感的な操作が可能であり、マニュアルが無くてもすぐに現場で使えるため、導入に関して不安はなかったといいます。
また、建設業界には「検査時には紙のミルシートが求められる」という慣習が存在しており、これが電子化への障壁となっていました。しかし、三菱商事が指定確認検査機関との照会を行い、電子データでの検査が可能であることを確認してくれたことで、現場での電子運用が現実味を帯びたのです。
清水建設の社員は、「三菱商事側が電子運用に必要な条件を整理してくれたことで、導入ハードルが大きく下がりました」と、その効果を語ります。
Mill-Box導入による具体的な効果
「Mill-Box」の導入によって得られた効果は多岐にわたります。
1.
作業時間の削減: 概算では作業時間が50%削減され、作業効率が飛躍的に向上しました。
2.
視認性の向上: ミルシートがデータ化され、鉄筋タグとの状態も一目で確認できるため、抜け漏れの早期発見が可能となりました。
3.
ミスの減少: 検査書類も自動で生成されるため、手入力ミスや修正の負担が大幅に軽減される結果となりました。
清水建設の社員は、この効率化によって「一覧化され、集計が自動化されたおかげで、作業にかかる時間が減り、手入力によるミスが極端に少なくなりました」と述べています。検査時には、必要な書類を即座に提示できるようになり、検査の進行もスムーズに行われるようになったとのことです。
今後の展望
今後は、現場のフィードバックを生かし、Mill-Boxの機能をさらに向上させ、鉄鋼流通に関わるさまざまなステークホルダーが連携できるミルシート管理の仕組みづくりを進めていく予定です。三菱商事は建設現場の業務効率化と品質管理の高度化に貢献するため、さらなる革新を目指し続けます。
Mill-Boxは、業務の属人化や紙作業、手入力ミスの削減を通じて、建設現場の生産性を向上させる重要なツールとして期待されているのです。
Mill-Boxについて
「Mill-Box」は、鉄鋼流通や建設現場におけるミルシート管理を電子化するためのクラウド型システムです。操作効率が高く、導入後すぐに現場で応用できるのが特徴です。
公式サイト:
Mill-Box
本件に関する問い合わせは、三菱商事のマテリアルソリューショングループ産業素材DX部までご連絡ください。