「働きたくなる工場」への進化 – イトーキ関東工場の新たな取り組み

イトーキ関東工場が実現する新しい職場環境

株式会社イトーキが2025年9月11日（木）、千葉県千葉市に位置する関東工場のオフィスエリアを全面的にリニューアルしました。このプロジェクトは、製造拠点における「人的資本経営」を実施する先進的な取り組みとして、職場環境を改善し、従業員の能力や意欲を引き出すことを目的としています。

オフィス改善の背景と目的

製造業では、現在「人材不足」や「安全性の確保」、さらには「生産性向上とイノベーションの創出」といった複数の課題が山積しています。これらの課題を克服するには、健康的で前向きに働ける職場環境が欠かせません。これまで生産効率が重視されてきた工場も、近年は現場からのアイデアを生み出す場としての役割が求められています。このような背景の中、イトーキ関東工場はオフィスを大胆に刷新し、従業員が快適に働ける空間を整備しました。

この新しいオフィスは、今後ショールームとしても利用され、他企業の課題解決の参考となることを目指しています。この取り組みは「Challenge to Craft」というコンセプトのもと、従業員の意見を取り入れた共創型プロジェクトとして進められました。

リニューアルの特色

特に力を入れたのは、書類の削減です。法的に保管が義務付けられている書類が多く、これまで作業スペースを占領していましたが、徹底した整理や廃棄により、オフィスエリアの書類を約8割減少させました。この結果、開放的な空間が生まれ、より効率的に働ける設計を実現しました。

1. 人材不足への対処: 柔軟な働き方

今回のリニューアルでは、従業員が業務内容や気分に応じて選べる多様な作業スペースを用意しました。グループアドレス席やソロブース、カフェエリアなど、居心地の良い環境が整えられています。また、使用されたインテリアのデザインには、イトーキの自社製品を活用し、自社が生産した製品が空間の一部となることで、誇りを持って働ける環境を創造しました。

2. 安全性の確保: 心の安全と身体の安全

製造拠点では、安全な作業環境だけでなく、従業員の心身の健康も大切にしています。リニューアルにあたり、リフレッシュできるカフェスペースや靴を脱いでリラックスできるミーティングルームなどが整備され、心地良い環境が実現されたことで、従業員は効率よく業務に取り組めるようになりました。

3. 生産性向上とイノベーション創出

連携を促進するために、固定席を廃止しフレキシブルな座席利用が可能になった「グループアドレス制」により、業務の即応性が向上しました。この制度により、従業員はチーム内部でスムーズに連携できる環境が整い、偶発的な意見交換がイノベーションの源となります。

今後の展望

イトーキの関東工場は、リニューアルを通じて「人的資本」に寄与するオフィス環境の整備を進めています。今後もこの取り組みは他の拠点にも展開され、製造業の働き方改革のモデルケースとして広がることが期待されています。イトーキは、これからも「働く人の可能性を引き出す空間づくり」を通じて、さらなる良い働き方を実現していく方針です。