池上線千鳥町駅のリニューアル計画が始動
東京の池上線に位置する千鳥町駅では、2025年3月26日から木材を基にした大規模リニューアル工事「木になるリニューアル」がスタートします。このプロジェクトは、森林資源の循環を促進し、地域の木材を活用することを通じて、より良い駅づくりを目指しています。
プロジェクトの背景と目的
本事業は、約100年の歴史を持つ千鳥町駅の駅舎やホームの更新を行うもので、ホームの屋根の建替えや駅舎の内外装、新たな旅客トイレの改善を目指しています。安全性や快適性の向上はもちろん、木材を使用したことで温かみのある親しみやすい雰囲気を醸し出すことが期待されています。また、2026年秋にはこの改良が完成予定です。
環境への取り組み
「木になるリニューアル」では、東京都の多摩地区で生産された「多摩産材」と、秋田県で生産される「まきものあきた材」を組み合わせることで、地域の森林資源を有効活用します。特に「あきた材」では、秋田の伝統技術を取り入れたアートウォールも設置予定で、地域文化の発信にも寄与します。
さらに、使われなくなった構造材は再利用を考慮した設計にされ、将来的に分解・再利用できるよう計画されています。古材を利用した「ステーションウッド」としての再利用も推進し、資源の循環をさらに強化します。
SOCIAL WOOD PROJECTの意義
このリニューアルは「SOCIAL WOOD PROJECT」の一環として推進されており、木材を使った社会貢献と森林資源の循環を可能にする取り組みです。このプロジェクトは「木材活用」「地方創生」「共創価値創造」の3つの柱を基盤にしており、地域住民や共創パートナーと連携しながら進めていきます。特に「地産都消」の考え方のもとで、都市で地方の資源を使うことを重視しています。
旅客トイレのリニューアル
旅客トイレも新たにリニューアルされ、特に乳幼児を連れた方でも使いやすいように、おむつ替えスペースや広めのブースが設けられています。このような配慮によって、全ての利用者が快適に過ごせるようになります。
未来を見据えた取り組み
2024年度以降に始まる中期事業戦略の中で、当社は鉄道を活用して環境や社会課題への解決に果たす責任を持つと明言しています。駅の構造材として使用する木材は、CO2の排出を抑えつつ、新たな価値の創造と地球環境への貢献を同時に実現します。
まとめ
池上線千鳥町駅のリニューアルは、地域の木材を生かし、環境負荷を低減する取り組みとして、今後の鉄道業界においても重要な意味を持ちます。新しい駅の姿をぜひ楽しみにしていてください。