新たな時代のインフラ技術"Dotcon"
近年、私たちの社会は気候変動の影響を強く受けています。特に都市部では、街のインフラが都市型水害やヒートアイランド現象に悩まされています。このような背景の中、インフラの再生が世界中で求められている現状です。以前は「雨を流す」が常識でしたが、今の時代は「雨を還す」方法を模索する時期に来ています。
世界の潮流と日本の選択
昨今の各国で注目されているのは、アスファルトやコンクリートを取り除く「Depaving」という技術です。これは都市に緑地や透水性舗装を導入することで、都市環境の再生を図る試みです。特に欧州やアメリカ、中国では「スポンジシティ」という概念が広がり、雨水を吸収し再利用する都市作りが進められています。
日本においても、技術の進化に伴い、「剥がさずに、還せる」という逆転の発想が誕生しました。それが透水貯留浸透コンクリート「Dotcon」です。Dotconは舗装をそのまま残しつつも、雨水を地中にしっかり還元します。これにより、急な豪雨が降った際でも一時的に雨水を貯留することが可能です。加えて、通常の舗装材に比べ、最大で2.4℃の熱抑制効果も持っています。
松島栄一氏の参画とその意義
最近、Dotconを展開する株式会社PUMPMANは、新たに松島栄一氏を取締役に迎えました。松島氏は25年以上にわたって製造業やインフラ、DX領域での経験を持つ実績豊富なリーダーです。彼は「現場から始まる社会変革」に惹かれ、Dotconの発展に力を注ぐことを決意しました。
彼がPUMPMANに参加することで、Dotconは国内にとどまらず、中東やアジア、北米へと視野を広げ、世界基準のグリーンインフラ戦略を推進する体制が整いました。
導入実績の拡大
すでにDotcon技術は全国各地で実績をあげています。例えば、関東地方整備局での展示施工に加え、国スポ SAGA2024の公共広場での採用、さらには鹿児島県垂水市でも排水が困難な地域での導入が決定しました。
日本から世界への挑戦
Dotconは舗装技術の常識を覆し、新たな社会課題に立ち向かうインフラの在り方を模索しています。「流す」のではなく「還す」、「剥がす」のではなく「活かす」、そして「支える」のではなく「共に動く」ことが重要になってきます。これからの時代、インフラにも新たな哲学が求められるのです。
今後もDotconは技術的進化を遂げ、現場と思想を結びつける先進的な役割を果たし続けることでしょう。これまでのインフラの枠を超え、未来の都市づくりに貢献することが期待されています。