ジンベエザメの健康状態を可視化する革新的な共同研究が始動
沖縄美ら海水族館を運営する沖縄美ら島財団、そしてaiwell株式会社、住友商事北海道の3社による共同研究が始まりました。この研究の目的は、ジンベエザメやナンヨウマンタといった軟骨魚類の健康状態を科学的に把握することです。本研究は、2023年2月に契約を締結し、4月から本格的に開始されます。
aiwellの技術の活用
本研究では、aiwellが独自に開発した「aiwell IPA」という血液中のタンパク質を迅速に探索できるバイオマーカー技術が活用されます。この技術によって、血液中のタンパク質の変化を分析し、客観的な健康評価を目指しています。動物の微細な生理的変化を早期に把握し、科学に基づいた飼育管理の向上と動物福祉の進展を図ります。また、この研究成果は将来的に水族館における多様な動物種への応用も期待されています。
今、なぜこの研究が必要なのか
ジンベエザメやナンヨウマンタは、生理学的特性が哺乳類や通常の魚類とは異なります。沖縄美ら海水族館ではこれらの動物に対して、独自の血液検査を行い、健康の評価を続けています。しかし、既存の評価に加え、プロテオミクス解析を導入することで、さらに詳細で客観的なデータを得ることができるようになります。これにより、健康管理の改善と動物福祉の充実が図られます。
研究の具体的な内容
この共同研究では、軟骨魚類の血漿を対象に、二次元電気泳動と質量分析による網羅的なタンパク質解析をします。具体的には以下の取り組みを行います:
1. 血漿タンパク質の網羅的データ取得と解析基盤の構築
2. 健康状態の変化と関連するタンパク質の特定
3. 将来的な診断指標の活用および社会実装の検討
期待される成果
予備研究では、免疫系や炎症に関与するタンパク質、さらには栄養状態や細胞の恒常性にかかわるタンパク質の変動が確認されています。この研究によって、これらのタンパク質を健康指標として確立することを目指します。今後、水族館や研究機関における健康管理体制の向上が期待されており、希少種の長期育成や保全技術の進展にも寄与するでしょう。
各社の役割
1.
沖縄美ら島財団:検体の採取や飼育データの統合解析を行い、生理的評価を行います。
2.
aiwell株式会社:タンパク質の網羅解析やバイオマーカーの探索を担当します。
3.
住友商事北海道株式会社:市場性調査や社会実装戦略を策定します。
未来への展望
この研究は、動物医療と飼育管理を向上させるだけでなく、海洋生物の保全という社会的な課題にも貢献することを目指しています。見えない変化を見える化することで、海の命を守るための基盤を築くことを目指しています。
aiwell株式会社について
aiwellは東京科学大学から生まれたディープテック・バイオベンチャーです。独自のプロテオミクス技術を基に、血液中のわずかなタンパク質変動から健康状態や疾患リスクを可視化する「aiwell IPA」を開発しています。このシステムは、医療やヘルスケア分野だけでなく、畜産や農業、食品分野へも応用されています。現在、新川崎にはプロテオミクス・イノベーションセンターも設立し、研究活動を加速しています。