リップメイクの自動分類
2025-09-22 10:29:20

リップメイク自動分類を実現する最先端のAI技術とは

リップメイク自動分類を実現する最先端のAI技術とは



株式会社コーセーは、慶應義塾大学の青木義満教授との共同研究によって、リップメイクの形状や色に基づいて画像を自動で分類する「教師なし距離学習モデル」を開発しました。このモデルは、主観の影響を受けずにリップメイクを分類することができ、SNSでのトレンド分析などに非常に有用です。

モデルの必要性と背景



近年、メイクは美の追求だけでなく、自分自身を表現する手段としても重要な役割を担っています。SNSの普及に伴い、日々さまざまなメイクスタイルが共有され、トレンドの変化も急速です。このような変化を正確に捉え分析するためには、大量のデータを処理できる自動分類モデルが求められます。

従来のモデルでは、人間が画像に対して意図的にラベルを付ける必要があり、このプロセスは手間がかかり、主観や文化的バイアスが入り込むリスクがありました。そこで、コーセーの研究陣は、人手によるラベル付けなしに、画像の類似性を純粋に学習できる「教師なし距離学習モデル」の開発に着手しました。

教師なし距離学習モデルの仕組み



この新モデルは、画像生成技術の一つである“Makeup transfer”を利用しています。具体的には、異なる2つの画像から生成されたものを擬似的な類似ペアと非類似ペアに分け、リップメイクの形状や色を明確に分離して学習させます。これにより、人手の介入を省きながらも、リップメイクの微細な違いを定量的に捉えることが可能となりました。

検証に使用された大規模な公開画像データセットでも、新モデルは従来の教師なし学習モデルを超える精度を示し、特にデータ全体から見れば少数派にあたるスタイルについても高い分類精度を達成しました。たとえば、全体の1%しか存在しないスタイルでも正確に分類できることが確認されています。

応用の可能性



この「教師なし距離学習モデル」は、今後の美容業界に大きな影響を与えるモデルと期待されています。特に流動的なSNSの世界では、多様なリップメイクスタイルを正確に捉え、トレンド分析に役立てることが可能です。また、顧客一人ひとりの美容スタイルを見つけることへの応用も考えられています。

研究成果の発表



本研究の成果は、第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会にて発表される予定です。この大会は、2025年9月15日から18日までフランスのカンヌで開催されます。業界関係者や研究者が集まる中で、コーセーの革新的な技術がどのように受け入れられるか、非常に注目されるところです。

今後の展望



今後もコーセーは、他のメイク分類への応用や、より多くの人々が自分らしい美容を楽しめるような研究開発に取り組んでいく所存です。この新しい技術がもたらす可能性について、私たちも目を離せません。


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会社情報

会社名
株式会社コーセー
住所
東京都中央区日本橋3-6-2
電話番号
03-3273-1511

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