多摩大学経営大学院、国内MBAで初のイノベーション教育実施
多摩大学経営大学院は、2026年度秋学期から修士課程MBAコースで新たに「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の理論と実践」という科目をスタートします。この科目は、イノベーション・マネジメントの国際標準であるISO 56001に基づくもので、日本初となります。
イノベーションの国際標準
近年、イノベーションが進まない原因は人材不足ではなく、仕組みの欠如だと指摘されています。ISO 9001が品質管理の基準として広まったように、最近発行されたISO 56001は、イノベーションのマネジメントについての認証可能な国際規格です。この規格は、イノベーションを促進するための新しい枠組みを世界中で採用され始めています。
IMS(Innovation Management System)とは、組織がイノベーションを通じて価値を持続的に創出するための仕組みです。このシステムは、機会を探求し、仮説を立てて学び適応するプロセスを支えます。新しいアイデアを生むだけではなく、それを実行可能な価値に変えるための条件を整えることが重要です。
「仕組み」で変えるイノベーション
多摩大学のこの新しい科目では、イノベーションを偶然の産物ではなく、体系的かつ持続的なプロセスとして捉えます。個々の才能に放任せず、組織全体でイノベーションを創出するための方法論を学ぶことで、単なる発想にとどまらない実践的なスキルを養います。これは、企業が新規事業を創出したり、組織内でイノベーションを推進したりするうえで非常に重要です。
知識創造論とIMSの統合的な学び
この科目の大きな特徴は、多摩大学が得意とする知識創造論とIMSを統合して学べる点です。講義では、知識創造論に基づくSECIモデルや「場(Ba)」の理論をしっかりと学びます。さらに、破壊的イノベーションやエコシステム、制度の進化など、幅広い視点からイノベーションを理解するための講義を行います。
具体的には、ISO 56000シリーズにおける価値の実現、リーダーシップ、組織文化などの原則と、ISO 56001およびその運用指針であるISO 56002に基づいて、IMSの構造や運用方法、成熟度評価を学んでいきます。
ただし、ただ規格に従うことを目的とせず、「自社にとってのイノベーションとは何か」を始点に議論を進め、自社の経営課題に合わせてIMSを考えることが重要です。
次世代の人材育成
最終的にこの科目で育成を目指すのは、イノベーションを経営全体と結びつけて推進する「イノベーション・マネジメント・プロフェッショナル」です。これにより、次世代の収益を支える事業の創造や組織的なイノベーション活動の重要性を強調し、人的資本経営の視点からも必要なスキルを持つ人材を育てるという狙いがあります。
多摩大学経営大学院は、時代を乗り越えるための「知の再武装」を訴え、実務に直結した教育を通じて産業界との関係を深めています。この新科目を通じ、未来を形作り、新しい価値を社会に提供できる人材の育成を進めます。
教員紹介
この科目を担当するのは、紺野登 名誉/特任教授です。彼は知識創造論やデザイン思考、イノベーション・マネジメントシステムに関する専門家で、さまざまな企業のイノベーション活動を支援してきました。著書も多く、業界において高い評価を得ています。
科目概要
- - 科目名:イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の理論と実践
- - 開講:2026年度秋学期
- - 講義回数:全8回
- - 担当:紺野登 名誉/特任教授
- - 協力:一般社団法人 Japan Innovation Network (JIN)
多摩大学経営大学院は、実務に役立つ知識を少人数で効率的に学べる環境を提供しています。未来を見据えた教育を通じて、経営スキルを高めたい多忙なビジネスパーソンにも最適なプログラムです。