小泊Fuji
長野県富士見町に、世界的な建築家・藤森照信氏が手掛けた一棟貸し宿「小泊Fuji」が2023年8月20日にオープンしました。この宿は、「いのちの中で呼吸する」というコンセプトをもとに、南アルプスを一望できる美しい自然環境に位置しています。
概要と独自性
「小泊Fuji」は、長野県と山梨県の境にある小さな集落に建てられています。この場所では、周りの自然と調和した静かな暮らしを送ることができ、宿泊者は心温まる里山の風景を楽しむことができます。特に八ヶ岳や富士山の雄大な姿を望むことができ、訪れる人々に深いリラクゼーションを提供します。
宿内では、完全プライベートな空間が保たれており、チェックイン後にはスタッフの常駐がないため、藤森建築の世界観に浸りながら、心ゆくまで滞在を楽しむことができます。さらに、宿には藤森氏自らデザインした家具が配置されており、デザインと機能性を兼ね備えた空間が広がっています。
宿泊者専用のパントリーストア
また、宿泊者専用のパントリーストアも併設されており、地域の特産品やお酒を購入することができます。これにより、訪問者は地元の味を楽しみながら滞在することができ、プライベートな時間を最大限に満喫できる工夫がされています。
クラウドファンディングでの成功
この宿の実現に向けて、オーナーの山越典子さんは2022年11月にクラウドファンディングを行い、目標の510万円を大きく上回る1,000万円以上の資金を集めることに成功しました。支援者は402名に上り、地域への愛着や、藤森氏の建築哲学に共感する人たちが集まりました。寄付者へのリターンとして、銅板や焼杉を使用した ワークショップも行われ、150人以上が手伝いながら宿の建設に関わっています。
藤森氏は「建築は誰もが関われる面白さがある」と語っており、訪問者がその一部となることをも大切にしています。
常に変化する宿
「小泊Fuji」は、建築の特徴として炭を使った漆喰の天井があり、宿泊記念としてお客様が寝室の天井に炭のピースを貼りつける体験ができます。このプロジェクトは約1年かけて仕上げられ、宿泊者にとっての特別な思い出として残ります。今後は、宿が更に自然と一体化できるように、敷地内にある田んぼを復活させたり植樹を行ったりして、環境との調和を深める予定です。
宿泊施設の詳細
- - 所在地: 長野県諏訪郡富士見町(プライベート施設につき住所は非公開)
- - 敷地面積: 4000平米
- - 客室面積: 63平米
- - 定員: 1日1組限定(最大5名)
- - 朝食: セルフサービス方式で提供
- - 宿泊料金: 一棟基本料金66,000円(税込、季節による変動あり)、大人8,800円、中学生5,500円、小学生3,300円、小学生未満は無料。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
この「小泊Fuji」は、訪れる人々に小さなきっかけを提供する場として、多くの心に残る体験を提供することを目指しています。