物価高が影響する休日の過ごし方：休みの意義と収入のジレンマ

物価高が影響する休日の過ごし方

パーソルキャリア株式会社が運営する「Job総研」は、2025年5月に行った《休み方実態調査〜物価高編〜》の結果を発表しました。この調査は、現在の経済状況がどのように休日の選び方に影響を与えているかを明らかにすることを目的としています。

調査の概要と結果

今回の調査は、全国の20代から50代までの378名の社会人男女を対象に実施され、物価高が休日の過ごし方、労働にどう影響するかがテーマでした。調査では、外食費やレジャー費の高騰が休日の過ごし方にどのように影響しているか尋ねられ、その結果、実に84.1%の回答者が休日に物価が影響していると答えました。特に、外食や旅行の頻度を控える傾向が見られ、家で過ごす時間が増えているという現状が浮き彫りになりました。

ほとんどの社会人は、休日における支出について負担を感じており、73.6%が「休日の支出が負担になっている」と感じています。この結果から、多くの人々が生活費を抑えるために休日を厳しく制限せざるを得ない状況が分かります。

休日に対する意識の変化

調査結果では、副業や休日出勤によって収入を増やしたいと思う人が60.8%に達しました。さらに、実に57.6%が「休みよりも収入」を重視する傾向が強くなっています。このことから、経済圧力が生活全般に及んでいることが明らかになりました。多くの人が、貯蓄増加のために今は働く時間を延ばし、休日を削る選択をする傾向が見受けられます。

特に、休みを減らす理由としては「将来の貯蓄を増やしたい」が49.4%で最も多く、次いで「稼げるうちに稼ぎたい」が48.3%という結果でした。

物価高の心理的影響

また、物価が高くなったために休日にかけるお金がかからないように過ごすという意識が78.3%の人に浸透していることも分かりました。実際、外食やレジャーの回数が減少している背景には、収入がこうした支出を賄えないからであることが多いようです。これは、生活のために働かなければならないという意識を生み出し、休日の過ごし方に大きな変化を引き起こしています。

副業の関心の高まり

調査によると、休日出勤や副業に意欲を示す人々が多数を占めており、その中でも副業をしたいという人が66.9%に上っているとのことです。これは、物価の上昇によって生活が厳しくなり、多くの人が経済的な負担を軽減するために、働く時間を増やす選択を余儀なくされていることを物語っています。

結論

今回の調査において、物価高が経済的な負担をもたらし、休日の過ごし方に直接的な影響を及ぼしていることが明らかとなりました。多くの社会人が「休日は休む」という本来の目的すら見失いつつあり、「休むなら稼ぎたい」という意識が高まっています。今後の社会人がどのような選択をしているのか、またその背景にはどのような社会的要因があるのか、引き続き注目が必要です。