四国水族館でナルトワカメの展示がスタート
四国水族館(香川県)は、児島漁業協同組合からのナルトワカメ(
Undaria pinnatifida f. narutensis)を搬入し、1階の瀬戸内ゾーン「豊饒の海の景」にて展示を始めました。これは昨年に引き続いて行われるもので、展示期間は2025年の3月28日から5月中旬頃までを予定しています。
この展示では、魚類だけでなく、岩礁に生息する海藻に焦点を当てており、訪れる人々がより自然な海洋環境を体感できるように工夫されています。水族館としては、ワカメの生息環境を再現し、長期的な飼育を目指しています。実際の海では豊富な餌や太陽光、様々なガスの溶存量が関わり合い、健康的な海藻や魚類の繁殖を支えています。このように藻場を増やすことが豊かな海を生むことを理解してもらい、次世代の環境保護への関心を高めることが本展示の目的です。
ワカメの生態
ワカメは、日本各地、特に九州南部や本州太平洋沿岸、北海道東部を除く広い範囲に分布している海藻で、岩の近くの潮間帯で生育しています。ワカメには二つの変種があり、長い茎を持つ
Undaria pinnatifida var. distansと、短い茎で葉状部が胞子葉とつながっている
Undaria pinnatifida f. narutensisに分けられます。これらは、日本の海の生態系において重要な役割を果たしています。
ワカメは一年性の海藻で、特に冬から春にかけて繁茂します。根元には胞子葉(めかぶ)が発生し、そこから海底に到達する配偶子が放出されます。配偶体は夏を乗り越え、秋になると再び卵と精子を生成し受精が行われます。この過程を経て、ワカメは秋から冬にかけて成長し、漁獲されるのです。自然の神秘が詰まった海藻のサイクルは、私たちにとっても学ぶべき重要なテーマです。
四国水族館の概要
四国水族館は、香川県宇多津町、瀬戸大橋のたもとに2020年にオープンしました。「四国水景」をテーマに、約400種類の生き物が展示されています。生き物の多様性だけでなく、四国の文化や人々の営みも感じることができるような水槽設計がされています。訪問者は、季節や時間によって変わる水の景色を楽しんだり、四国の魅力を再発見したりすることができます。
- - 所在地:香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4
- - 通常営業時間:9:00〜18:00(最終入館17:30)
- - GW通常営業時間:9:00〜21:00(最終入館20:30)
- - 入館料:大人2400円、中高生1300円、3歳以上600円、3歳未満無料
- - アクセス:JR宇多津駅から徒歩約12分、坂出I.Cまたは坂出北I.Cから約10分
- - 電話番号:0877-49-4590
- - ウェブサイト:四国水族館
この春、四国水族館でのワカメ展示を通じて、海の豊かさとその重要性について考える良い機会となるでしょう。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。