TOPPANが目指す多言語同時通訳システムの未来
TOPPANグループは、2024年に開催される「Japan MICE EXPO」で、多言語同時通訳配信システムの実証実験を行うことが決まりました。これは、2025年に予定されている大阪・関西万博におけるセミナーやシンポジウムで、海外からの来場者に対してより適切な通訳を提供する狙いがあります。
実証実験の背景
大阪・関西万博は、世界中から多くの来場者が見込まれており、その中で異なる言語を話す人々に正確な情報を届けるため、多言語翻訳技術の重要性が増しています。これに対応するため、TOPPANでは自動翻訳システムの機能向上に努めてきました。特に、過去の実証実験でのフィードバックを基にした改良が重要な役割を果たしています。
例えば、2023年12月に行われた「SEMICON Japan 2023」では、同システムの運用において高評価を受け、既存の課題を明確にする機会となりました。その中で、字幕に表示されるフィラー(無意味な音)が読みにくさを引き起こすことや、音声で翻訳内容を聞きたいというニーズが浮き彫りになりました。
実証実験の概要
実証実験は、2024年10月17日と18日に、インテックス大阪で実施されます。具体的な流れは以下の通りです:
1. 登壇者の発話をマイクを通じて取得
2. 収集した音声情報をテキスト化し、自動通訳エンジンで翻訳
3. 翻訳内容の字幕を生成し、ユーザーインターフェースを構築
4. 作成した字幕をスクリーンと聴講者のスマートフォンに表示
また、実証実験を通じて、登壇者と参加者が通訳内容を効果的に理解できる運用体制の構築も目指します。
今後の展開
この実証を元に、TOPPANではさらなる高精度の多言語同時翻訳配信システムの開発を進め、2024年度内の販売開始を目指しています。これにより、外国人とのスムーズなコミュニケーションが実現し、より多様な社会の形成に寄与することが期待されています。
まとめ
TOPPANの取り組みは、大阪・関西万博に向けた大きな一歩となります。多言語通訳技術の進化は、今後の国際的なイベントやビジネスシーンでのコミュニケーションをより豊かにするでしょう。この実証実験が、実際の運用にどのような影響を与えるのか、今から注目されます。