WAKUと東大の共同研究
2025-08-01 11:38:12

WAKUと東京大学が共同で植物ストレス研究を開始!グルタチオンに注目

WAKUと東京大学が共同で新たな植物ストレス応答を研究



株式会社WAKU(岡山県岡山市)と東京大学大学院農学生命科学研究科が、植物のストレス応答物質「グルタチオン」に焦点を当てた基礎研究を始めることを発表しました。この研究は、気候変動の影響を考慮した安定した作物栽培の可能性を探るもので、近年の農業における課題に対して新たなアプローチを提案するものです。

背景と目的


近年、農業界では気候変動に伴う高温や異常な降雨、突発的な気象変動が作物の品質低下や収量減少といった問題を引き起こしています。さらに、この状況に拍車をかけるのが、日本国内での農業従事者の高齢化と担い手不足という深刻な構造問題です。これらの背景を受け、より環境適応性の高い栽培技術の確立が急務とされています。

WAKUは、植物のストレス応答を制御する新たなアプローチとして「グルタチオンGSH/GSSG」に注目。植物の生理学における理解を深めることによって、気候変動の影響を受けにくい作物生産技術を確立する道を模索しています。

グルタチオンの重要性


グルタチオンは植物を含むすべての生物の細胞内に存在する抗酸化物質で、還元型(GSH)と酸化型(GSSG)の二つの形態を持っています。この比率は、細胞の酸化ストレスの程度を反映する重要な指標です。植物は高温や乾燥などの環境ストレスに対して、グルタチオンを利用して応答します。

東京大学の伊藤岳洋博士は、グルタチオンの代謝に関与する酵素群やその迅速な代謝回転、さらには硫黄再分配メカニズムの解明に取り組んでいます。これにより、農業分野への応用のための基盤情報が得られることが期待されています。

研究の進行


合同研究では、グルタチオンの施用が植物の生育やストレス応答にどのような影響を与えるかを基礎・応用の両面から探ります。WAKUは圃場試験を行い、現場で観察される生育変化や耐性獲得の兆候を分析。一方、東京大学は分子レベルでの解明を進め、グルタチオンの代謝やレドックスバランスの変動と植物の応答を結びつけます。

この年度には、グルタチオン施用の影響を多角的に検討し、持続可能な農業技術の開発に貢献する枠組みを構築していく予定です。

今後の展望


この研究は、グルタチオンという基礎的な生理物質の知見を農業技術へと応用する新しい取り組みです。今後は、ハウスや露地での実証試験を通じて、気候変動に対抗する安定した作物生産技術を社会に実装する計画です。また、施用タイミングや方法に関するノウハウを開発し、東京大学との連携を強化することで、特許ポートフォリオの構築も考えていきます。

WAKUは今後も、科学の力を最大限に活用し、持続可能な農業の未来を切り拓くために産学の連携を進めていきます。


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会社情報

会社名
株式会社WAKU
住所
岡山県岡山市北区芳賀5303岡山リサーチパークインキュベーションセンター 101号室
電話番号

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