Visual Bankが放つ新たな自動運転向けデータセット
東京都渋谷区に本社を置くVisual Bank株式会社は、傘下の株式会社アマナイメージズを通じて、「Qlean Dataset(キュリンデータセット)」の提供を開始しました。この新しいデータセットは、AD/ADAS(自動運転・先進運転支援システム)開発者に向けて設計されており、その革新性は実環境に近いデータ収集にあります。
自動運転技術支援の背景
AD/ADASを支えるためには、多様な学習データが必要不可欠です。具体的には、実走行環境に適したデータを豊富に確保することが、コンピュータビジョン系AIの性能向上に寄与します。しかし、現在のプロジェクトでは夜間や雨天、混雑した状況など特殊な条件におけるデータが不足しています。それに加えて、データ収集や権利処理には多くのコストとリスクが伴い、商用展開時に再度データを取得しなければならないというリスクも散見されています。
Qlean Datasetの特長
Qlean Datasetは、これらの課題に応えるために誕生しました。産業用データ収集と権利処理のプロセスを最大限に活かし、開発の初期段階から安心して使用できる自動車走行データセットを提供します。
データセットの概要
- - 撮影データ数: 2動画(それぞれのエリアで30分ずつ収録、5分程度のファイルに分割)
- - 総撮影時間: 1時間(平均0:05:00/動画)
- - 撮影機材: アクションカメラ
- - データ形式: mp4
- - 解像度: 4K (3840×2160)、30fps
- - データ容量: 70GB
データには、市街地、高速道路、郊外の多様な走行シーンが含まれています。夜間や雨天、渋滞状況など異なる条件下での走行映像が収録されており、利用者にとって非常に価値のある情報源となるでしょう。さらに、権利クリアな商用利用可能な素材として厳格に処理されているため、ユーザーは安心して利用できます。
提供形式
Qlean Datasetは即納パッケージとしても提供されており、既に収録済みのデータを最短1営業日で納品可能です。オーダーメイドの撮影にも対応しているため、ユーザーの特定のニーズに応じたデータを新たに収録することもできます。
今後の展望
Visual Bankは、経済産業省/NEDOが推進する生成AI事業「GENIAC」にも参加しており、今後、商用利用に適した多様なデータセットをさらに拡大していく予定です。この「自動車走行データセット」は、その第一歩として位置づけられています。自動運転制作や、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)、公共安全の分野に向けた高品質なデータ提供を継続して行う予定です。
将来的には、走行映像の提供にとどまらず、感情音声、ヒトの動きの解析、さらには衛星画像など、多種多様なモダリティを含むラインナップを整え、AI研究開発を支援していく考えです。
興味を持たれた方は、サンプルデータの確認や詳細なお問い合わせについて、公式ウェブサイトからご連絡ください。