えひめ新たな海飯プロジェクトの全貌
愛媛県内の高校生たちが、地元の潜在的な水産資源を活用した「新たな海飯メニュー」を開発するプロジェクトが、2025年の夏から秋にかけて行われました。一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめの主導で、FC今治高等学校と済美高等学校の生徒たちが食品メーカーの協力を得て、珍しい低利用魚を使ったメニューを創り出しました。この活動は、地域の海を次世代に引き継ぎながら、食の文化を豊かにするための取り組みです。
プロジェクトの背景
近年、海洋環境はさまざまな要因で変化し、愛媛県の漁獲量も減少しています。その影響で、利用頻度が低い魚種が増えてきました。プロジェクトの参加者は、そうした魚コンセプトを用い、食文化の深まりと環境問題について学びながらメニュー開発に取り組みました。
開発した海飯メニュー
FC今治高等学校とサンヨー食品株式会社のコラボ
最初のステップとして、FC今治高等学校の生徒はサンヨー食品株式会社と協力し、低利用魚であるハモと地エビを使った「ハモつみれと地エビかき揚げの麻辣湯風」を発案しました。プロジェクトの初旬、各生徒は県内の市場を見学し、実際に水産資源について触れ、利用されにくい魚の可能性を感じました。特に、ハモは骨が多く扱いにくい魚ですが、骨を丁寧に処理することで新しい形で提供しました。このプロセスが、若者たちの食育にもつながることを目的としています。
済美高等学校の試作結果
済美高等学校では、生徒一人一人が魚種に基づき自身のレシピを考案しました。「クロダイの炊き込みご飯」や「コショウダイのレモンクリーム煮」、さらには「グチの揚げ出し豆腐」といったメニューが生まれました。これらの料理は、大小さまざまな未利用魚を使ったもので、見た目や食感を工夫することによって美味しさを引き出しています。
新たな海飯フェスティバル
2025年10月12日、今治港で開催された「えひめ新たな海飯フェスティバル」では、参加者が実際に食材を調理し、地域の水産資源を発信しました。このフェスティバルには約1000人が参加し、低利用魚のタッチングプールやメニュー販売などが開催されました。地元の企業や団体も協力し、未利用魚の美味しさを広めることに寄与しました。
参加者や企業の声
プロジェクトの参加者は、体験を通じて未利用魚の魅力を再発見しました。高校生たちは「目に見えない規範にとらわれず、まずは食べてみてほしい」と語り、その熱意は多くの来場者に伝わりました。地域の企業も彼らの努力を称賛し、今後のさらなる発展に期待を寄せていました。
このプロジェクトは、若者たちを中心に地域の持続可能な発展を促す試みとして、今後も大きな注目を集めることでしょう。