特定医療法人南山会は、医療と福祉と介護の力で、誰もが幸せを感じられる世界を創造するという理念のもと、精神科病院や福祉施設を運営しています。しかし、医療業界を取り巻く環境は厳しい状況にあります。医師の働き方改革や生産年齢人口の減少など、人材不足は深刻な問題となっています。
南山会では、この課題克服に向け、職員の働きやすさを維持・向上させるための方法として、DX(デジタルトランスフォーメーション)に着目しました。DX実現に向けた第一歩として、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール『BizRobo! Lite』を導入したのです。
医療業界は多くの個人情報を取り扱うため、情報保護が重要な課題となります。そのため、DXに対して抵抗感を持つ医療機関も多いのが現状です。南山会も当初はRPA導入に不安を感じていましたが、オープン株式会社と一般社団法人メディカルRPA協会を通じて、医療業界における『BizRobo!』の活用事例を知り、情報保護を確保しながら業務の自動化を進められることを確認しました。
南山会は、『BizRobo!』を活用し、退院サマリや訪問看護指示書のチェック業務、月次収入計上、財務指標分析などの業務の効率化を目指しています。現在、ロボットの安定的な稼働に向けて開発・調整を進めています。
今後、南山会は生成AIの導入も検討し、職員の事務作業時間を削減することで、労働生産性を向上させていく計画です。さらに、今回のRPA導入を機に、IT活用人材育成にも力を入れており、DXを加速させていく方針です。
オープン株式会社は、南山会への『BizRobo!』導入を起点として、RPA活用やDX推進が法人全体の業務効率化に繋がり、医療安全の確保、医療の質・収益向上に貢献すると考えています。地域医療の安定供給に向け、自動化対象業務の選定や他のデジタルツールとの連携など、南山会を支援していく方針です。