耳鼻咽喉科の重要な役割、がん治療に知られていない実態とは
近年、耳鼻咽喉科の専門知識がますます重要視される中での調査結果が、私たちに投げかける大きな課題があります。一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と株式会社メディカルノートの共同調査の結果、耳鼻咽喉科で治療できるがんや病気についての認知度があまりにも低いことが明らかになりました。特に、甲状腺がんや舌がんについては、耳鼻咽喉科が関与できることを知っている人はわずかでした。
調査の背景と目的
この調査は、耳鼻咽喉科の役割を広く一般に伝えることを目的としています。2021年6月23日に実施された調査は、医療に関わらない18歳以上の一般の人々を対象とし、インターネットを通じて行われました。集められた有効な回答は200件です。日耳鼻の理事長である村上信五氏は、耳鼻咽喉科に対する認識を深める活動を継続的に推進しています。
調査結果の概要
頭頸部の正しい認識はわずか31%
調査において、頭頸部の位置を正しく理解している人は全体の31%にとどまりました。この数字は、多くの人が耳鼻咽喉科の治療対象である部位についてあまり意識していないことを示しています。加えて、甲状腺や舌の病気について治療が可能であるとの認識も低下しているのが現状です。
がん治療の認知度が低すぎる
特に耳鼻咽喉科で治療できるがんとして、舌がんが存在しますが、これについて認知している割合は64%にとどまりました。また、甲状腺がんについては、認知度が32.5%と非常に低い結果となりました。耳鼻咽喉科での受診については、舌が腫れた際に専門医を訪れる人が少ないことも分かりました。
顔面神経麻痺の誤解
耳鼻咽喉科が治療可能な病気の中で、顔面神経麻痺に関しては、わずか23.5%の人しかその治療について認識していませんでした。これは、耳鼻咽喉科が多様な病気を扱っていることへの理解不足に繋がります。
専門知識の普及が急務
この調査結果は、耳鼻咽喉科に関する専門知識が一般の人々に十分に普及していないことを示唆しています。甲状腺や舌の病気について、また耳鼻咽喉科が扱う広範な疾病の理解を深めることが急務と言えます。日耳鼻は、今後も啓発活動を強化し、これらの情報を広く伝えていく方針を明らかにしています。
まとめ
耳鼻咽喉科は、私たちの健康にとって非常に重要な役割を果たしていますが、その認知度が極めて低い現状を受け、今後の啓発活動が期待されています。専門医を訪れる敷居を下げ、病気の早期発見・治療に繋げるための施策が求められています。調査の詳細は
こちらから確認できます。さらに、耳鼻咽喉科の月間特設サイトもぜひ訪れてください。