ローム株式会社が開発した高出力赤外レーザーダイオードRLD8BQAB3
ローム株式会社は、距離測定や空間認識に必須なLiDAR(ライダー)技術を搭載した先進運転支援システム(ADAS)向けの新たな製品、高出力半導体レーザーダイオード「RLD8BQAB3」を発表しました。この製品は、ドローンやロボット掃除機、AGV(無人搬送車)などの民生・産業機器分野にも対応し、2024年8月よりサンプル供給を開始します。
高性能を実現する設計
RLD8BQAB3は、125Wの出力を持つ超小型面実装タイプの赤外レーザーダイオードアレイです。特に優れた点は、8チャンネルを同時に点灯することにより、業界最高レベルの1kW級の高出力を可能にしていることです。また、各発光エリアはカソードコモンで配線されており、必要に応じて発光ポイントの増加や、超高出力による長距離の正確な距離測定を行うことができます。
さらに、発光には業界初のクリアガラス製のガラスキャップが採用され、従来の樹脂封止品に比べてダイシング時の傷や光散乱のリスクを大幅に減少させています。これにより、より高いビーム品質を保つことができ、最新のLiDAR技術に最適な性能を提供します。
LiDAR技術の進化と今後の展望
近年、ADASやドローン、ロボット掃除機、AGVといった自動化技術が進化する中で、LiDAR技術の需要が急速に高まっています。自動運転技術においては、「出力が高くデータを迅速に処理できる」といった要求が高まり、ロームはこうしたニーズに応える形でこの新製品を開発しました。特に、RLD8BQAB3は高放熱基板に設置されることで、発光強度の均一性を維持しつつ、外乱光ノイズの影響を最小限に抑えることが期待されています。
製品の長期的な影響
ロームの新製品は、高出力レーザーダイオードの分野におけるイノベーションをもたらします。2024年度中に車載対応(AEC-Q102準拠)を目指しており、その準備も進行中です。これにより、長距離での距離測定や高精度なデータ取得が実現し、自動運転車やロボット技術のさらなる向上に寄与するでしょう。
まとめ
RLD8BQAB3の開発により、ロームは今後の自動化社会において、より正確で効率的な距離測定を行うための重要な一歩を踏み出しました。本製品の性能向上は、将来的な技術革新に繋がると期待され、多くのアプリケーションでの活用が見込まれます。
詳細については、ロームの公式ウェブサイトを訪れるか、担当営業までお問い合わせください。