NEC、生成AIを利用したHSコード特定支援システムを開発し通関士不足に対応へ

NECが開発した通関士支援システムとは

NECが新たに発表したシステムは、生成AIを活用し、通関士の業務負担を軽減することを目的としています。この技術は特に、輸出入統計品目番号であるHSコードの特定に役立ちます。HSコードは国際貿易において商品を分類するために必須のもので、適切にコードを付与しなければ通関手続きがスムーズに進まないため、通関士には深い知識と多くの経験が求められます。従来の通関業務は属人化が進んでいるため、ベテランのノウハウが次世代に伝わり難く、ここに生成AIの導入が必要とされました。

システムの特徴

このシステムでは、利用者が知りたい商品の名称や用途を入力することで、HSコードの候補とその根拠を即座に提示します。もし情報が不足している場合には、生成AIが必要な情報をアドバイスし、通関士がHSコードを特定するプロセスをサポートします。
生成AIの強みは、文脈を理解した応答が可能な点にあります。例えば、税率を記したに関する規定を誤って解釈するリスクを減少させ、正確な情報提供を実現します。これにより、業務における効率的な情報整理が可能になり、特定作業が迅速に進められます。

背景となる通関士不足

最近、輸出入件数が増加の一途を辿る一方で、通関士の人材が不足している現状があります。この状況では、一人当たりの業務負荷が高く、業務が属人化することでノウハウの継承が難しくなっています。このような中、NECの新システムは必要な知識を提供することで、通関士の業務を支える役割を果たします。

実施予定と無償トライアル

NECは、このシステムを2024年9月10日から東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2024」にて紹介します。また、先着5社には無償トライアルを提案する予定です。これは業務における実際の活用を体験してもらう良いチャンスとなります。

本システムのさらなる性能改善が進められ、最終的には2025年度に正式な提供が開始される予定です。NECはこのシステムを既存の「関税計算書システム」と組み合わせて、通関業務全体をサポートする計画を立てています。