11年目を迎えたCOACH財団と認定特定非営利活動法人カタリバが新たな奨学金プログラムを始動させることを発表しました。このプログラムは、経済的な困難を抱える家庭や外国にルーツを持つ高校生に向けたもので、単に資金を提供するだけでなく、その後の進学や自立を支える伴走型プログラムも含まれています。2025年度から全国のカタリバと接点のない高校生も応募できる機会が増え、より多くの学生にその可能性を広げる内容となっています。
背景と必要性
日本の大学進学率が76.4%と高い数字を出している一方で、経済的な理由から進学を諦めざるを得ない学生も存在します。特に、生活保護世帯の高校生においては進学率が40.6%にとどまっており、このギャップは深刻です。しかし、経済的支援があっても、その制度を利用できない理由が多くあるのです。カタリバが収集した声によると、手続きの複雑さや情報不足が大きなハードルになり、特に生活に追われている家庭では情報収集すら困難である状況が明らかになりました。
また、外国にルーツを持つ高校生は、在留資格による制約から奨学金の対象外となることが多く、これも進学意欲を削ぐ要因となっています。彼らは学費を捻出するためにアルバイトをしていますが、最近の物価上昇がその努力を無駄にしている現状があります。
プログラムの概要
この「COACH ドリーム イット リアル × カタリバ奨学金プログラム」は、新たに給付型奨学金を提供しつつ、ファイナンシャル・プランニングに基づく伴走型プログラムを通じて、学生の自立を支援します。説明会を通じて、不安を抱える学生とその家庭が、簡単に相談できる環境を提供し、具体的な進学プランの策定を助けます。
昨年のプログラムでは、奨学生から「経済的支援で学業に集中できるようになった」という声が寄せられました。このことは、若者たちが将来に目を向けるための心理的な障壁を取り除く助けになります。
特徴と応募情報
プログラムの具体的な特徴としては、申請から個別相談が可能な「応募サポート会」を設けており、申請に対する不安を軽減します。また、奨学金には「大学受験費用に対する奨学金」と「自立に向けた奨学金」の二つの側面があり、見通しの甘い部分をしっかり見つめ直し、未来への投資を行うことを促しています。
2025年9月8日から9月24日まで、高校生を対象に奨学金の応募を受け付ける予定で、詳細は公式ウェブサイトで確認できます。この新たなプログラムを通じて、多くの若者が自らの夢を実現できる環境が整うことを期待しています。
COACHについて
COACHは、1941年に設立されたニューヨークのファッションブランドで、社会貢献として多くのプログラムやプロジェクトを展開しています。特に、Dream It Realというイニシアティブを通じて、若者が夢を追う支援を行っています。これらの取り組みは、将来を担う若者たちにとって、大きな意味を持つものとなっているのです。
教育の現場においても、全ての10代の学生が未来を描けるよう、カタリバと共に手を取り合い、支援を続けていくことが求められています。これにより、若者の可能性を広げ、すべての人が公平に機会を得られる社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。