84歳の劇画家が描く新たな物語『あゝ、荒野』が登場
2025年5月9日、寺山修司の唯一の長編小説を原作とする劇画『あゝ、荒野』の第1巻が全国の書店限らず、オンライン書店にて発売されます。84歳という年齢で現役を貫くバロン吉元が、その独自の視点を生かし、約20年ぶりの新作として発表されるこの作品は、多くのファンから期待が寄せられています。
作品の魅力
『あゝ、荒野』は、1960年代の新宿を舞台にした物語で、主人公の新宿新次が飛び込むボクシングの世界を描いています。新次は、喫茶店で目にしたポスターに心を奪われ、仁王ボクシングジムに入会。その場所で出会った仲間、通称“バリカン”こと荒木繁との友情を通じて、成長していく姿が描かれています。無口で飾らない彼の姿と、超一流のボクシングの腕前は、街のゴロツキたちに立ち向かう力を与えてくれます。
この作品は、寺山修司が生誕90周年を迎える節目の年に、長年のキャリアを持つバロン吉元による力強い絵が融合することで、新たな文化的価値を生み出しています。既に数多くの作品を世に送り出してきたバロン氏ですが、今作は彼の画業65周年を祝う意味も持っています。
発売情報と特典
『あゝ、荒野』第1巻は、定価2,500円(税込2,750円)で、256ページのボリュームがあります。購入特典も多彩で、紀伊國屋書店新宿本店では限定カバー、TSUTAYAではステッカー、丸善ジュンク堂書店では特典カードが配布されます。また、これらの特典は原則として店頭で購入された方に限られるため、欲しい方はお早めに訪れることをお勧めします。
イベントのお知らせ
さらに、5月10日には紀伊國屋書店新宿本店にて、バロン吉元によるライブペインティング&サイン会が開催されます。彼の生のアートパフォーマンスを目撃する貴重なチャンスです。このイベントは14時からスタートし、14時~15時まではライブペインティング、続いて15時10分からサイン会の予定です。参加希望者は、事前の予約を推奨しますが、当日参加券も配布されるため、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
対談記事の公開
さらに、バロン吉元と本作を担当する白井勝也との特別対談がWEB上で公開されています。二人の情熱的な対話を通じて、166歳の創作魂が注がれた本作の深層に迫る内容となっております。対談記事は公式サイトでチェックできますので、ぜひご覧ください。
作家のプロフィール
寺山修司は、1935年に青森県で生まれ、1966年に『あゝ、荒野』を発表して以来、多彩な表現で日本文学に革新をもたらしました。83年に早逝した彼の作品は、現在でも多くの人に影響を与え続けています。
一方、バロン吉元は1940年生まれで、1959年に劇画家としてデビュー。その後、代表作『柔俠伝』で確固たる地位を築きましたが、1980年には全連載を終え、アメリカへ渡り活動。その後、帰国してからも絵画を中心に活躍しています。このたびの『あゝ、荒野』は、再び彼の描く新たな物語を楽しむ機会となります。
この特別な作品を通じて、ぜひ新宿のアウトローの世界に触れてみてはいかがでしょうか。