東京信用保証協会が「SimpleCheck」を導入
最近、東京信用保証協会は、法人調査の効率化と質の向上を目的に、シンプルフォーム株式会社が開発した「SimpleCheck」を導入した。このシステムは、全国500万法人の定性情報を収録した独自のデータベースを基にしており、従来なら数日を要する法人の許認可や沿革、関連会社などの情報を、わずか30秒で収集し、整理・レポーティングできるというものだ。これにより、法人調査業務の高度化と効率化が図られることになる。
「SimpleCheck」の特徴と利点
「SimpleCheck」は、東京信用保証協会が持つ信用保証審査のニーズに特化したプロダクトであり、行政への届出情報や許認可情報、沿革、関連会社の情報などが整理されている。そのため、誰でも一定の水準で情報を収集できるため、業務の属人性を排除し、組織全体の調査力を底上げすることが期待されている。
このシステムを活用することで、従来調査にかかっていた多大な工数を削減し、より難易度の高い案件への対応や若手職員の育成など、戦略的業務へのリソースの再配分が可能になるというメリットがある。また、審査スピードと質が向上することで、金融機関との情報照会や調整業務における負担も軽減され、保証付き融資業務のプロセス全体が円滑に進むことが見込まれる。
事業の背景と今後の展開
東京信用保証協会は、中小企業の資金調達を支える公的なセーフティネット機関であり、地域の金融機関と連携し、信用保証業務を展開している。信用保証の判断に際しては、申込法人の申告内容のみならず、沿革や事業の実態、関連会社などさまざまな情報を多角的に調査している。このような中で、法人調査業務の平準化と効率化が求められていた。
「SimpleCheck」の導入により、審査業務の体制を見直し、非対面に最適化した業務を目指すとともに、業務のデジタル化を進める方針だ。2025年4月に本部での運用を開始し、都内各支店への展開も予定している。
シンプルフォーム株式会社の取り組み
シンプルフォーム株式会社は、法人取引に関する審査体制の構築を支援する企業である。同社は、全国500万法人に関する定性情報の収集とデータベースの構築に取り組んでおり、このデータベースを基に開発した「SimpleCheck」と、対象法人を常時監視する「SimpleMonitor」を提供している。「SimpleMonitor」では、リスク評価に影響を及ぼす重要な情報の変化を自動で通知する機能を持ち、運用負荷を軽減することを目的としている。
東京信用保証協会とシンプルフォーム株式会社の協力により、より公正で健全な取引の基盤づくりが進むことが期待されている。今後も、両者は地域金融機関との連携を深めながら、サービスのさらなる向上を図っていくことだろう。